フィアット・クライスラー・ジャパンは2016年8月、新型2シーターオープンスポーツカー「アバルト124スパイダー」を同年10月に日本国内で発売すると発表しました。「マツダ・ロードスター」とプラットフォームを共有する姉妹車種の関係にあり、生産も広島のマツダ本社工場で行われる一方、エクステリアやエンジンはフィアット社のオリジナルが採用されます。
ロードスターより大きく重いボディ
ロードスターと同様に手動ソフトトップが備わるボディは、それとは異なるフロントマスクとリア廻りの意匠が与えられます。ボディサイズは全長4,060mm×全幅1,740mm×全高1,240mm、ホイールベースは2,310mmで、ロードスターと比較するとホイールベースは同一ながら、ボディサイズがそれぞれ145mm×5mm×5mm大きいディメンションとなっています。
又、車両重量はロードスターの990~1,060kgよりも重い1,130~1,150kgとなります。サスペンション形式は、ロードスターと共通のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マルチリンク式が採用される他、ビルシュタイン製ダンパーや機械式LSDが装着されます。又、ブレーキはブレンボ製の4輪ディスク式(フロントはベンチレーテッド型)が装備されます。
動力性能はロードスターを凌駕
駆動方式は勿論FRで、前後重量配分50:50の数値もロードスターと共通となっています。エンジンは、国内仕様ロードスターが1.5L直4DOHC NA(最高出力131ps/7,000rpm・最大トルク15.3kgm/4,800rpm)を搭載するのに対し、124スパイダーでは「アバルト500/595/695」などにも採用される1.4L直4DOHCターボ(最高出力170ps/5,500rpm・最大トルク25.5kgm/2,500rpm)が搭載されます。
トランスミッションはロードスター同様、6速MTと6速トルコン式ATが設定され、最高速度・0-100km/h加速タイムはそれぞれ232km/h・6.8s、229km/h・6.9sとなっています。この数値は、ロードスターMT仕様の204km/h・8.3sを大幅に凌ぐものとなっています。又、タイヤはこの動力性能に対応する為、ロードスターよりワイドかつ大径の205/45R17が装着されます。
一方、JC08モード燃費はMT仕様が13.8km/L、AT仕様が12km/Lで、ロードスターがそれぞれ18.6km/L、17.2km/Lであるのに対し劣る数値となっています。又、インテリアは基本的にロードスターと共通のデザインで、ディテールが異なるのみとなっています。安全装備面もロードスターと共通で、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付ABSが備わります。
一方、同じく標準で装備される横滑り防止装置はロードスターが「DSC」の名称であるのに対し、アバルト124スパイダーでは「ESC」の名称となっています。その他の装備面では、ロードスターには備わらないフロント/リアフォグランプやリアスポイラーが標準装備されます。価格はMT仕様が388.8万円、AT仕様が399.6万円で、ロードスターが250~320万円程であるのに対し相応に高価となっています。