初代モデルが1985年にデビューを飾ったホンダのフラッグシップモデル「レジェンド」は、2004年10月に8年ぶり3度目のフルモデルチェンジを受け4代目モデルに移行しました。駆動方式をそれまでのFFから、世界初の4輪駆動力自在制御システム「SH-AWD」に変更し操縦安定性を向上させた他、パワートレインの刷新による動力性能アップや様々な安全・快適装備の追加が行われました。
流麗な空力ボディを採用
ボディタイプは先代同様4ドアセダンのみの設定で、流麗さとシャープさを両立させたフォルムを持つボディはCd値0.29の空力特性を実現していました。初期型のボディサイズは全長4,930mm×全幅1,845mm×全高1,455mmで、先代より全長が若干短くなった一方、全幅と全高は拡大されました。ホイールベースは100mm以上短縮され2,800mmとなり、車両重量は大幅に増加し初期型で1,760kgとなりました。
サスペンション形式は、フロントはダブルウィッシュボーン式が踏襲され、リアはそれまでのダブルウィッシュボーン式からマルチリンク式に変更されました。発売当初搭載されたエンジンは、排気量こそ先代と同一の3.5L ながら小型軽量化及びVTEC化を図ったJ35A型で、スペックが先代の最高出力215ps/最大トルク31.8kgmから最高出力300ps/最大トルク36kgmへと大きく向上しました。
トランスミッションも刷新され、先代の4速トルコン式ATに代えパドルシフト付きの5速トルコン式ATが採用されました。発売当初はモノグレードで、ランバーサポート採用10ウェイパワーシート、デュアル・フルオートエアコン、BOSE製サラウンド・サウンドシステム、追突軽減ブレーキ+E-プリテンショナー、旋回時に進行方向を照らす「AFS」などが標準装備されました。
安全運転支援システムを用意
更に、電動リアサンシェイドやパワートランクリッド、カメラ+ミリ波レーダーによる高速道路運転支援システム「HiDS」、遠赤外線カメラによる歩行者検知・警報システム「インテリジェント・ナイトビジョンシステム」などがオプション設定されました。そして2005年9月にマイナーチェンジが実施され、新スマートキーシステムの採用など装備の充実が図られました。
次いで2006年10月に2度目のマイナーチェンジが実施され、パドルシフトの操作性を改善すると共に、内外装色の変更や内装の一部変更が行われました。続いて2008年9月に3度目のマイナーチェンジが実施され、エクステリアデザインの刷新と共に、エンジンが3.7LのJ37A型(最高出力309ps/最大トルク37.7kgm)に置換されました。同時に、専用の内外装を備える新グレード「ユーロ」が追加されました。
次いで2010年10月に4度目のマイナーチェンジが実施され、ATが6速化されると共に、消音機能が備わる18インチノイズリデューシングアルミホイールなどが採用されました。そして2012年6月に、後継モデルの登場もなく生産終了となりました。(2015年1月に5代目KC2型がデビュー)