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フォルクスワーゲン タイプ2 (T3 1979-1992):エンジンを水冷化すると共に足回りを一新

大衆車「タイプ1(ビートル)」をベースとしたキャブオーバー型商用車として1950年に誕生した「タイプ2」は、1979年に12年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、T3型に移行しました。リアエンジンレイアウトや水平対向4気筒エンジンなど基本メカニズムを受け継ぎながら、エンジンの水冷化や足回りの刷新など大幅なリファインが施されました。

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直線基調のスタイリングを採用

スタイリングは、従来の丸みを帯びたフォルムから直線基調のシャープなフォルムに一新されると共に、ラジエーターの新設に伴いフロントマスクに冷却用のグリルが設けられました。ボディタイプは、ワンボックス型3ドアのバン/ワゴン/キャンパーと3ドアピックアップがラインナップされ、乗用ワゴンは「カラベル」と命名されました。

ボディサイズは全長4,569mm×全幅1,844mm×全高1,928mmで、T2型から全長・全幅が拡大されました。又、ホイールベースも若干延長され2,456~2,461mmとなりました。駆動方式はRRを踏襲し、エンジンは従来の空冷方式からシリンダーヘッドのみ水冷化した部分水冷方式に変更されると共に、吸排気弁機構がOHVからSOHCに変更されました。

ラインナップは、1.6L(最高出力50ps)と2L(最高出力70ps)が用意されました。又、オプションでタイプ2初のディーゼルエンジン(水冷1.6L/1.7L直4)も用意されました。トランスミッションは当初、4速MTと3速ATが設定されました。サスペンション形式は、フロントがトレーリングアーム式からダブルウィッシュボーン式に、リアがスウィングアーム式からトレーリングアーム式に変更されました。

5速MT仕様や4WD車を追加

ステアリング形式はウォーム&ローラー式からラック&ピニオン式に変更され、前輪ディスク式又はドラム式/後輪ドラム式を踏襲するブレーキは、前後共に大径化が図られました。そして1983年の仕様変更でエンジンが一般的な全水冷式に変更されると共に、排気量が1.9L/2.1Lとなりました。又、新たなトランスミッションの選択肢として5速MTが加わりました。

更に、オーストリアのシュタイア・プフ社が手掛けるパートタイム4WD仕様車が追加になりました。次いで1986年、ポルシェの手により「911カレラ」用の3.2L空冷水平対向6気筒エンジン(最高出力230ps)を搭載したコンプリートカー「ポルシェ・B32」が登場しました。元々ラリー競技のサポートカーとして開発されたモデルで、市販バージョンの生産台数は僅か10台程に留まりました。

そして1990年にフルモデルチェンジが実施され、FF方式に転換したT4型「トランスポルター」に移行しました。日本市場におけるT3型は、まずヤナセの手によりカラベルが輸入され、モデル末期の1990年からは新たに設立されたフォルクスワーゲンアウディ日本の手により北米市場向けの車名「ヴァナゴン」の名で導入が開始されました。

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