BMWブランドとして初の量販EVとなる「i3」は、まず2011年11月の東京モーターショーにプロトタイプが出展され、2013年7月に市販モデルがデビュー、同年11月から日本での販売が開始されました。軽量化を追求したボディと未来的な内外装を備える他、優れた動力性能や必要十分な航続距離など、実用車として過不足のない総合性能を備えた意欲作となっています。
軽量かつ斬新なボディ
ボディ形状は観音開き式ドアを採用した5ドアハッチバックで、他のどの車にも似ていない個性的かつ斬新なデザインが備わります。車体構造はオールアルミニウム製シャシーやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製ボディシェルを採用し、徹底した軽量化が図られています。ボディサイズは全長4,010mm×全幅1,775mm×全高1,550mmのCセグメントサイズで、乗車定員は4人となっています。
ホイールベースは2,570mmで、車両重量はこのクラスのEVとしては軽量な1,260kgとなっています。同カテゴリーの「日産・リーフ」と比較すると、全長は400mm以上短く、車両重量は170~200kg軽量に抑えられています。サスペンション形式は前:マクファーソンストラット式/後:マルチリンク式で、駆動方式はRRを採用し、FF方式のリーフとは好対照になっています。
ライバルを凌駕する動力性能
モーターのスペックは最高出力170ps/最大トルク25.5kgmで、最高出力はリーフを60ps以上凌ぐ数値となっています。又、同社のモーターサイクル用0.65L2気筒エンジンを発電用として搭載する「レンジエクステンダー搭載車」もラインナップされます。最高速度は共に150km/h、0-100km加速はEV仕様が7.2s、レンジエクステンダー搭載車が7.9sとなります。
共にリーフの最高速度145km/h・0-100km/h加速11.5sという動力性能を凌ぎ、実用EVとしては非常に優秀なスペックとなっています。後続距離はEV仕様の場合通常130~160kmで、走行モード切替で「ECO PRO+」モードを使用した場合最大で約200kmの走行が可能となります(リーフは228km)。又、レンジエクステンダー搭載車の場合は約300kmとなります。
通常充電の場合満充電に7~8時間要する一方で、日本仕様は日本独自の急速充電規格「CHAdeMO」に対応し、30分で約80%の充電が可能となっています。装備面では、「前車接近警告機能」「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「レーンディパーチャー・ウォーニング」から構成される安全運転支援システム「ドライビングアシストプラス」や、パーキングアシスト機能が標準装備されます。
又、通信モジュールを利用したテレマクティクスサービス「BMWiコネクテッドドライブ・スタンダード」も備わります。