トヨタ「アクア」は、同社初のBセグメントサイズのハイブリッド車として、2011年12月に発売されました。通称「トヨタ式」と呼ばれる「プリウス」以来の定番ハイブリッドシステムを搭載し、量産車として世界最高の低燃費を実現した事により、発売と同時にプリウスを凌ぐ程のベストセラーになっています。
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空力特性の優れた軽量ボディを採用
ボディは、コンパクトカーでは一般的な5ドアハッチバックスタイルながら、空力特性を向上させる為、フロントウィンドウが寝かされたワンモーションフォルムとなっています。又、ボディの前半分はプリウスとの類似性が感じられるデザインとなっており、Cd値はこのクラスとしては優秀な0.28を実現しています。
ボディサイズは、全長3,995mm×全幅1,695mm×全高1,445mmの5ナンバー枠に収まるコンパクトなもので、同じセグメントに属する同社の「ヴィッツ」に近い大きさとなっています。車両重量は1,050kg~1,080kgと、プリウスよりも遥かに軽量で、純ガソリン車であるヴィッツと比較しても大差ない重量に抑えられています。
新ハイブリッドシステム搭載で、世界一の燃費を達成
プラットフォームは、コンパクトカー用の「Bプラットフォーム」と呼ばれるものをハイブリッド車用に改修したものが採用されています。ハイブリッドシステムは、トヨタ独特の「リダクション機構付THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)Ⅱ」と呼ばれるスプリット型で、プリウス用よりも小型軽量化された新設計のものが搭載されています。
このシステムに搭載されるエンジンは、アトキンソンサイクルを採用し高効率化を図った1.5L直4ユニット1NZ-FXE型で、74ps/11.3kgmの最高出力と最大トルクを発生します。モーターはプリウスと同様、交流同期型で、61ps/17.2kgmのスペックを持ち、システム最高出力は99psとなっています。トランスミッションは、THS恒例の電子式無段変速機が採用されています。
THSは、数値の上からも制御面からもエンジンとモーターが対等の関係にあり、ライバルのホンダ「フィットハイブリッド」がパラレル型ハイブリッドシステムを採用し、エンジンに依存する割合が高いのとは好対照となっています。初期型の燃費性能は、JC08モードで35.4m/Lと極めて優秀で、当時量販車世界一を誇りました。
駆動方式はFFのみで、サスペンションは前ストラット式/後トーションビーム式の手堅いメカニズムが採用されています。インテリアは、プリウス同様デジタル式のセンターメーターを配置した近未来的デザインのダッシュボードを採用すると共に、優れたパッケージングにより、純ガソリン車に引けを取らない居住性と荷室スペースの広さを実現しています。
更なる燃費向上と派生モデル追加
2013年11月の一部改良で、燃費が更に向上して37km/Lとなり、一時的に新型「フィットハイブリッド」に抜かれていた量販車燃費世界一の座を即座に奪い返しました。同時に、スポーティな新グレード「G’s」が追加されました。パワートレインは同一であるものの、エアロパーツを備える専用エクステリアを採用した他、ボディ剛性やサスペンションの強化などが行われています。
2014年12月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトによりエクステリアを刷新した他、内装の質感向上やボディ剛性の強化など、様々な改良が加えられました。又、専用のエクステリアや足回りにより、外観をクロスオーバーモデル風に仕立てた新グレード「アーバンX」が追加されています。
アクアは、現在も燃費やトータルバランスの良さ、信頼性の高さを武器にベストセラー街道を驀進しており、リコール問題で揺れるライバルのフィットハイブリッドの追従を許さない強さを見せています。