レクサスのハイパフォーマンス2ドアクーペ「RC F」は、2014年10月に標準モデルの「RC」と共に発売されました。同ブランドのクーペとしては1991年に発売された「SC」以来となる新型車で、RCを凌ぐ究極のパフォーマンスを追求したプレミアムモデルとしての位置付けになります。その性能は既に生産終了となっている「LFA」を別とすれば、レクサス車中最高水準を誇ります。
専用エクステリアでRCと差別化
スタイリングは、レクサスブランドの特徴であるスピンドルグリルはRCと基本的に共通ながら、漆黒メッキグリルモールを採用すると共にフロントバンパー両サイドにオイルクーラー開口部を設けダブルスピンドルを形成し、RCとの差別化が図られています。更に、エンジンフード上のエアスクープや速度に応じ可変するアクティブリアウイングが専用エクステリアとして備わります。
ボディサイズは全長4,705mm×全幅1,850mm×全高1,390mmで、RFに対しそれぞれ+10mm×+10mm×-5mmのディメンションとなる他は、2,730mmのホイールベースや前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク式のサスペンション形式、FRの駆動方式などRFと同一になります。車両重量はRFより50~100kg重い1,790kgで、パワートレインは新開発された5L V8NAの2UR-GSE型エンジン+8速トルコン式ATが搭載されます。
RCを遥かに超える性能
エンジンのスペックは最高出力477ps/7,100rpm・最大トルク54kgm/4,800~5,600rpmで、「RC350」の最高出力318ps/6,400rpm・最大トルク38.7kgm/4,800rpmを遥かに凌ぐものとなっています。又、8速ATも変速スピードが0.1sに短縮されたRC F専用仕様となります。その他、FR車で世界初となる駆動力制御システム「TVD」がオプション設定される事も特徴となっています。
インテリアは、RCにも採用される可動式メーターがドライブモードに応じて表示が切り替わる専用品となる他、表皮一体発泡シートもヘッドレスト一体型のハイバックタイプになるなど、RCとの差別化が図られています。そして2015年1月、カーボン製のエンジンフードやルーフ、トヨタ系チューナー「TRD」によるカーボン製アクティブリアウイングが備わる「カーボンエクステリアパッケージ」が追加されました。
ボディのディメンションをはじめ、パワートレインや足回りなど根幹部分に変更はなく、車両重量が10kg軽い1,780kgとなるのがスペック上の相違点になります。レクサスRC Fは、本格的なサーキット走行を可能とするパフォーマンスを持つと同時に、近年は少数派になった大排気量多気筒NAエンジンならではのフィーリングが備わる点が独自の個性になっています。