メルセデス・ベンツのクロスオーバーSUV「GLK」は、フルサイズSUV「GL」のコンパクト版として2008年にデビューし、同年8月から日本での販売が開始されました。路面を問わず走行する事が可能な本格的な走破性を持つ他、SUVとしては低重心な設計である為、オンロードでも良好な操縦安定性を備えるモデルとなっています。又、構造上左ハンドル専用車である事も特徴となります。
GLクラスより遥かにコンパクトなボディ
ボディ形状は5ドアステーションワゴンで、GLに類似した意匠のフロントマスクを持つ他、全体的なプロポーションもGLクラスの縮小版とも言える雰囲気が備わります。ボディサイズは全長4,530~4,550mm×全幅1,840mm×全高1,670~1,685mmで、GLより二回り程コンパクトとなる他、乗車定員が2人少ない5人となっています。又、SUVとしては全高が低く抑えられている点も特徴となります。
ホイールベースは2,755mmでGLクラスより300mm以上短く、車両重量も700kg程軽い1,860kgに抑えられています。サスペンション形式は前:3リンク式/後:マルチリンク式で、駆動方式は前後トルク配分固定式のフルタイム4WDがメインで、欧州仕様の一部グレードにはFFも設定されます。エンジンは欧州仕様には複数のディーゼルもラインナップされるものの、日本に導入されるのはガソリンのみとなります。
発売当初の日本向けパワートレイン及びグレードは、3L V6 DOHCエンジン(最高出力231ps/最大トルク30.6kgm)と7速トルコン式AT「7G-TRONIC」を搭載する4WDモデル「GLK300 4MATIC」で、状況に応じてダンパーの減衰力を変化させる事が可能な「セレクティブダンピングシステム」や横滑り防止装置の「4ESP」、ヘッドライトの照射範囲を自動的に調整する「インテリジェントライトシステム」などが装備されました。
改良により装備充実と燃費改善を実現
そして2010年3月の一部改良により、LEDドライビングライトの追加やSRSベルビスバッグ追加による11エアバッグ化、ステアリングの素材変更などの仕様変更が行われました。次いで2011年2月に、装備を簡略化し価格を抑えたエントリーグレード「GLK300 4MATICライト」が追加されました。そして翌2012年7月にマイナーチェンジを実施し、内外装のデザインが刷新されました。
同時に、エンジンを最新の3.5L V6 直噴DOHC(最高出力306ps/最大トルク37.7kgm)に置換すると共にATを高効率な「7G-TRONIC PLAS」に変更、更にアイドリングストップ機構を搭載した事により、燃費が約30%改善されました。又、ドライバーの疲労を検知し警告する「アテンションアシスト」や、ヘッドライトのハイ/ロービーム切替を自動で行う「アダプティブハイビームアシスト」が装備されました。
このマイナーチェンジに伴い、グレード名は「GLK350 4MATICブルーエフィシェンシー」に変更され、廉価版の「ライト」は廃止されました。次いで2013年9月に、グレード名が「GLK350 4MATIC」に変更されました。GLKは、欧州では「BMW・X3」や「アウディ・Q5」とシェアを争っているものの、日本市場では左ハンドル仕様のみである点がハンディとなり販売面では振るわない結果になっています。