メルセデス・ベンツの2シータースポーツカー「SLK」は、初代モデルが1996年に「SL」の弟分としてデビューし、2011年5月に日本で販売が開始された現行型で3代目となります。従来のモデルからプラットフォームを一新し走行性能が向上した他、燃費・環境性能の改善や快適・安全装備の充実が図られ、トータルの完成度が一段と高まっています。
先代からフロントマスクを一新
ボディは従来モデル同様リトラクタブル・ハードトップを備えるクーペ・カブリオレで、先代から基本的なプロポーションを受け継ぎながら、SLクラスを彷彿とさせるフロントマスクの採用によりイメージを一新しています。日本仕様のボディサイズは全長4,145~4,150mm×全幅1,845~1,850mm×全高1,300~1,305mmで、先代から若干拡大され、車両重量もやや重い1,440~1,640kgとなっています。
ホイールベースは先代と同一の2,430mmで、サスペンションも前:3リンク式/後マルチリンク式を踏襲、駆動方式も同様にFRを採用します。発売当初日本に導入されたグレード及び搭載エンジンは、1.8L直4ターボ(最高出力184ps/最大トルク27.5kgm)の「SLK200ブルーエフィシェンシースポーツ」及び「SLK200ブルーエフィシェンシー」と、3.5L V6 NA(最高出力306ps/最大トルク37.7kgm)の「SLK350ブルーエフィシェンシー」でした。
全車で燃費が向上し装備も充実
1.8L車・3.5L車共に先代から燃費が向上し、特にアイドリングストップ機構を装備する3.5L車の燃費は30%以上も改善されました。装備面では、オープン走行時に温風を首回りに吹き付ける「エアスカーフ」や、ボタン操作により瞬時にガラス製トップの透過度を変える事が出来る「マジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフ」が設定されました。
そして2012年5月、高性能版「SLK55AMG」がラインナップに加わりました。エンジンは、アイドリングストップ機構や気筒休止マネジメントを搭載する新世代の5.5L V8NAで、先代を大幅に上回る最高出力422ps/最大トルク55.1kgmのスペックと、「SLK200」シリーズ並みの低燃費を両立させました。トランスミッションは、7速トルコン式ATが組み合わせられました。
次いで2013年2月に、6速MT仕様の「SLK200ブルーエフィシェンシーMT」と、7速ATを搭載するエントリーグレード「SLK200ブルーエフィシェンシートレンド」が追加されると共に、「SLK200」シリーズ全車にアイドリングストップ機構が搭載されました。次いで2013年8月に一部改良を行い、装備の充実を図ると共に1.8L車と3.5L車の車名から「ブルーエフィシェンシー」のサブネームが消えました。
SLK200シリーズが進化
続いて2014年8月の一部改良で、1.8L車のグレード体系が「SLK200MT」「SLK200トレンド+」「SLK200エクスクルーシブ」に変更され、全車にシートヒーターや自動防眩ミラーが装備された他、「SLK200MT」以外に安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」が、更に「SLK200エクスクルーシブ」には駐車支援システム「パークトロニック」が装備されました。
そして2015年8月の一部改良により、SLK200シリーズの装備充実を図ると共にパワートレインが刷新され、エンジンを2L直4ターボ(最高出力184ps/最大トルク30.6kgm)に置換、「SLK200トレンド+」「SLK200エクスクルーシブ」のトランスミッションが従来の7速ATから9速ATに変更されました。同時に「SLK350」と「SLK55AMG」はカタログ落ちしました。