メルセデス・ベンツの主幹モデル「Eクラス」は、初代モデルが1993年に「ミディアムクラス」からの車名変更という形で誕生し、2009年5月に日本への導入が開始された現行型で4代目となります。3代目と比較すると、ボディが拡大されると共にフロントマスクの意匠変更が行われ、イメージを一新しました。又、順次動力性能・燃費性能の改善や安全装備の充実が図られるなど、時代に即した変更が加えられています。
ボディのバリエーションは4種類
ボディのバリエーションは、まず最初に4ドアセダンがデビューし、追って7月にクーペが、次いで2010年2月にステーションワゴンが、更に同年4月にカブリオレが追加されました。セダンとワゴンのスタイリングは、発売当初は角目4灯式ヘッドランプの採用により先代よりもシャープなイメージになりました。一方クーペとカブリオレは、フロントマスクの意匠以外はセダンと全く異なる優雅なデザインが採用されました。
ボディサイズは、セダンが全長4,870mm×全幅1,855mm×全高1,470mm、ワゴンが全長4,900mm×全幅1,855mm×全高1,515mm、ホイールベースは共に2,875mmで、全ての項目で先代から拡大されました。一方クーペ/カブリオレは、プラットフォームが3代目「Cクラス」と共通である為、全長4,705mm×全幅1,785mm×全高1,395mm、ホイールベース2,760mmとセダンより一回りコンパクトなものとなっています。
駆動方式はFRが基本で、日本仕様の搭載エンジン及びグレードは、セダンは3L V6(最高出力231ps/最大トルク30.6kgm)の「E300」及び「E300アバンギャルド」、3.5L V6(最高出力272ps/最大トルク35.7kgm)の「E350アバンギャルド」、5.5L V8(最高出力387ps/最大トルク54kgm)の「E550アバンギャルド」の3種類でスタートしました。トランスミッションはいずれも7速トルコン式ATが搭載されました。
そして8月に、6.2L V8エンジン(最高出力524ps/最大トルク64.2kgm)+7速湿式多板クラッチ式ATを搭載するハイパフォーマンスモデル「E63 AMG」が、次いで10月に1.8L直4ターボエンジン+5速トルコン式AT(後に7速トルコン式ATに変更)を搭載する「E250CGIブルーエフィシェンシー」と、「E350アバンギャルド」ベースのフルタイム4WD車「E350 4MATICアバンギャルド」が追加されました。
低燃費の新エンジン搭載車を次々と追加
更に2010年2月に、3L V6ディ-ゼルターボエンジン(最高出力211ps/最大トルク55.1kgm)を搭載する「E350ブルーテックアバンギャルド」追加されました。一方、ワゴンはセダンと同一のグレード体系で、クーペは「E350」と「E550」、カブリオレは「E350」のみの設定でした。サスペンション形式は、フロントが「E63AMG」を除くセダン/ワゴンは3リンク式、「E63AMG」とクーペ/カブリオレが4リンク式で、リアは全車マルチリンク式となっています。
そして2011年7月、クーペ/カブリオレの「E350」のエンジンを新世代の3.5L V6に置換し、スペックが最高出力306sp/最大トルク37.7kgmに向上すると同時に、ATの改良やアイドリングストップ機構の採用と相まって燃費が大幅に改善されました。次いで同年11月に、クーペの「E550」のエンジンが4.7L V8ターボ(最高出力408ps/最大トルク61.2kgm)に置換され、アイドリングストップ機構の採用と相まって燃費向上を果たしました。
又、同月セダンに一部改良を実施し、「E300」「E350」シリーズ及び「E550」のエンジンがクーペ/カブリオレ同様の新世代のものに置換されました。「E300」用ユニットのスペックが最高出力252ps/最大トルク34.7kgmとなる他は、クーペ/カブリオレと同一スペックとなります。同時に、「E63AMG」のエンジンがアイドリングストップ機構付の5.5L V8ターボ(最高出力524ps/最大トルク71.3kgm)に置換され、こちらも燃費向上を果たしました。