ポルシェの2ドアクーペ型スポーツカー「ケイマン」は、オープンボディの「ボクスター」の姉妹車種として2005年に初代モデルがデビュー、7年後の2012年11月に2代目モデルが発表され、同年12月に日本でも受注が開始されました。先代から基本コンセプトを踏襲しながら、ボディの軽量化やエンジンのパワーアップにより走行性能が一段と向上した他、燃費・環境性能が改善された事が特徴でした。
軽量ボディと燃費改善対策が特徴
スタイリングは、キープコンセプトにより先代から大幅なイメージ変更はなく、ボディサイズは全長4,380mm×全幅1,801mm×全高1,294mmで、先代より僅かに長く低いディメンションになっています。一方、ホイールベースが60mm延長され2,475mmとなり、タイヤ前後のオーバーハングが短くなった事が現行型の特徴となります。車両重量は1,310kg~1,350kgで、先代から70kg程軽量化されています。
4輪マクファーソンストラット式のサスペンションやMR方式は先代から踏襲し、エンジンは一足先にフルモデルチェンジした981型ボクスターと共通の新世代のフラット6に置換されました。「ケイマン」用は先代の2.9Lから2.7Lにダウンサイジングされ、「ケイマンS」用は先代同様の3.4Lを踏襲、トランスミッションはそれぞれ先代同様に6速MTと7速PDK(DCT)が設定されます。
エンジンのスペックは、2.7Lが最高出力275ps/7,400rpm、最大トルク29.6kgm/4,500rpm~6,500rpm、3.4Lが最高出力325ps/7,400rpm、最大トルク37.7kgm/4,500rpm~5,800rpmで、それぞれボクスターシリーズを10ps/1kgm上回るスペックとなっています。先代との比較では、ケイマンが最高出力が10ps増加しトルクが1kgm減少、ケイマンSが最高出力が5ps増加し最大トルクは同一の数値となっています。
0-100km/h加速タイム及び最高速度は、ケイマンMT仕様が5.7s/266km/h、同PDK仕様が5.6s/264km/h、ケイマンS MT仕様が5s/283km/h、同PDK仕様が4.9s/281km/hとなっています。又、全車にアイドリングストップ機構とエネルギー回生システムを搭載し燃費・環境性能が向上した他、装備面では新たにアダプティブクルーズコントロールが設定された事が特徴となります。
2種類の高性能版を追加
そして2014年3月、高性能版の「ケイマンGTS」が追加されました。3.4Lエンジンを最高出力340ps/7,400rpm、最大トルク38.7kgm/4,750rpm~5,800rpmまでチューンナップし、0-100km/h加速タイム及び最高速度はMT仕様が4.9s/285km/h、PDK仕様が4.8s/283km/hに向上しました。又、専用のフロント&テールエンドや専用アルミホイール、専用スポーツシートなどにより内外装の差別化が図られました。
次いで2015年3月、エンジンを「911カレラ」に搭載される3.8Lユニットに置換した、更に高性能な「ケイマンGT4」が発表されました。最高出力385ps/7,400rpm、最大トルク42.8kgm/4,750rpm~6,000rpmのスペックを持ち、トランスミッションは6速MTのみとなる他、シャシーやブレーキは「911GT3」のコンポーネンツを流用した専用のものとなります。
エクステリア面では、テールウイングや大型エアインテークを採用すると共に全長と全幅が拡大され、全高が1,266mmまで下げられた事が特徴となっています。インテリア面では、専用の小径ステアリングやレザー&アルカンターラ素材の専用スポーツシートが備わり、差別化が図られています。動力性能は、0-100km/h加速4.4s、最高速度295km/hまで向上しました。