アウディAGは2015年、Cセグメントのコンパクトカーである3代目「A3」をベースとした「RS3」を発売しました。すでにリリースされていた高性能版「S3」をも凌ぐ究極のパフォーマンスを狙ったモデルで、2011年から2012年にかけて販売された初代RS3と比べても一段と高い性能を持っていました。
2.5L直5ターボエンジンを搭載
ボディタイプは、当初は5ドアハッチバックの「スポーツバック」のみの設定でした。エクステリア・デザインは、ボディシェルこそ基本的にA3/S3スポーツバックと共通であったものの、専用デザインのフロントグリルやバンパー、張り出した前後のフェンダー、リア・ディフューザーなどにより差別化が図られていました。空力特性の指標となるCd値は、S3スポーツバックと同一の0.34でした。
ボディ・ディメンションは全長4,343mm×全幅1,800mm×全高1,411mm、ホイールベース2,631mmで、S3スポーツバックに対し全長・全幅・全高がわずかに拡大されていました。駆動方式はS3スポーツバック同様、フルタイム4WD「クワトロ・システム」のみの設定でした。エンジンは、S3スポーツバックの2L直4ガソリンターボに対し、2.5L直5ガソリン・インタークーラーターボが搭載されました。
スペックは最高出力367ps/5,550-6,800rpm・最大トルク47.4kgm/1,625-5,550rpmで、7速DCT「Sトロニック」との組わせにより、0-100km/h加速4.3sというクラストップレベルのパフォーマンスを発揮しました。足回りは、フロント:マクファーソンストラット式/リア:4リンク式の形式を踏襲したチューンドサスペンションと、前後とも235/35R19サイズのタイヤが採用されました。
M/Cで性能が向上
また、ステアリングは可変ギアレシオのプログレッシブステアリングが採用されました。一方インテリアは、専用デザインのメーターパネルやステアリングホイール、スポーツシートなどが採用されました。その後2017年にマイナーチェンジが実施され、エンジンが新開発の2.5L直5直噴ターボ(最高出力400ps/5,800-7,000rpm・最大トルク48.9kgm/1,700-5,850rpm)に置換されました。
それにより、0-100km/h加速タイムは4.1sに短縮されました。また、装備面では同社最新の安全運転支援システムである「アウディプレセンス」「アクティブレーンアシスト」「サイドアシスト」「トラフィックジャムアシスト」「リアクロストラフィックアシスト」などが導入されました。また、4ドアセダン版の「RS3セダン」もラインナップに加わりました。
ボディディメンションは、全長4,479mm×全幅1,802mm×全高1,397mmとスポーツバックとは若干異なるものの、ホイールベースは同一でした。パフォーマンス面では、スポーツバックとの差はありませんでした。日本市場においては、2015年3月にスポーツバックが上陸を果たし、2017年7月にセダンが発売される予定となっています。