1996年にアウディAG久々の小型ハッチバック車として誕生した「A3」は、2003年に7年ぶりのフルモデルチェンジが実施され、2代目8P系に移行しました。同じ年に登場した「フォルクスワーゲン・ゴルフⅤ」とは姉妹車種の関係にあり、先代に対してはエンジン・ラインナップの刷新やサスペンション形式の変更などにより、総合性能の向上が図られました。
ガソリン直噴エンジンを設定
ボディタイプは当初5ドアは用意されず、3ドアハッチバックのみの設定でした。スタイリングは「ダブルグリル」と呼ばれるフロントマスクの採用により、先代よりも押し出しの効いた雰囲気に変貌しました。ボディサイズは全長4,215mm×全幅1,765mm×全高1,420mmで、先代から全長・全幅が若干拡大され、ホイールベースは65mm長い2,578mmに設定されました。
サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式を踏襲する一方、リアはトレーリングアーム式から4リンク式に変更され、操縦安定性の向上が実現しました。駆動方式は先代同様FFとフルタイム4WD「クワトロ・システム」が設定され、エンジンは当初1.6L直4/1.6L直4直噴/2L直4直噴/3.2L V6直噴のガソリンNA4種類と、1.9L直4/2L直4のディーゼルターボ2種類が用意されました。
5ドアの「スポーツバック」を追加
最高出力/最大トルクはそれぞれ102ps/15.1kgm、115ps/15.8kgm、150ps/20.4kgm、250ps/32.6kgm、105ps/25.5kgm、140ps/32.6kgmで、トランスミッションは当初5速/6速MTと6速トルコン式/6速デュアルクラッチ式AT(DSG)が設定されました。そして翌2004年に、全長を170mm延長した5ドアハッチバックモデル「A3スポーツバック」がラインナップに加わりました。
又、同じ年に2L直4直噴ガソリンターボエンジン(最高出力200ps/最大トルク28.6kmg)が追加されました。次いで2006年、2Lガソリンターボエンジンのアウトプットを最高出265ps/最大トルク35.7kmgまで高めて搭載する派生モデル「S3」が発売されました。一方A3は、翌2007年に1.4L直4直噴ガソリンターボエンジン(最高出力125ps/最大トルク20.4kmg)が追加されました。
カブリオレも追加に
次いで2008年、フェイスリフトが実施されると共に2ドアコンバーチブルの「カブリオレ」が追加されました。続いて2009年に1.8L直4直噴ガソリンターボエンジン(最高出160ps/最大トルク25.5kmg)と1.6L直4ディーゼルターボエンジン(最高出力90ps/最大トルク23.5kmg・最高出105ps/最大トルク25.5kmg)が、2010年に1.2L直4直噴ガソリンターボエンジン(最高出力105ps/最大トルク17.8kmg)が追加されました。
そして2012年にフルモデルチェンジが実施され、現行8V型に移行しました。日本市場における2代目A3は、まず2003年9月に2LガソリンNAエンジン+6速AT搭載FF仕様の「2.0FSI」「2.0FSIスポーツ」が導入され、追って12月に3.2Lエンジン+6速DSG搭載4WD仕様の「3.2クワトロ」が追加されました。
次いで2004年2月に1.6Lエンジン+6速AT搭載FF仕様の「アトラクション」が、更に同年8月にはスポーツバック2.0FSI/2.0TFSI(2Lガソリンターボエンジン+6速AT)/3.2クワトロがラインナップに加わりました。そして2006年7月から3ドア車がカタログ落ちし(欧州などでは継続)、スポーツバックに一本化されました。
次いで2008年9月にフェイスリフト版に切り替えられると共に、ラインナップがFF仕様の「1.4TFSI」(1.4Lターボエンジン+7速AT)及び「1.8TFSI」(1.8Lターボエンジン+7速AT)と、4WD仕様の「2.0TFSIクワトロ」の3タイプとなりました。そして2013年9月に現行モデルに切り替えられました。