アウディのミディアム・クロスオーバーSUV「Q5」は、「Q7」に次ぐ同カテゴリー第2弾として2008年4月の北京国際自動車ショーでデビューし、日本には2009年5月から導入が開始されました。ミディアム・セダン「A4」をベースとしつつ、悪路走破性を高める為の設計や様々な機構が取り入れられ、クロスオーバー型ながら本格的な性能が備わる事が特徴となります。
5ドアハッチバックのボディはQ7の流れを汲むデザインが備わる他、短い前後オーバーハングを特徴とします。ボディサイズは全長4,630mm×全幅1,900mm×全高1,650mmでA4よりも短くワイドなディメンションを持つ一方、ホイールベースは同一の2,810mmとなります。サスペンション形式はA4同様の前:5リンク式/後:トラペゾイダルリンク式で、車両重量は1,870~2,000kgとなっています。
パワートレインはまずガソリン2種類から
駆動方式はフルタイム4WD「クワトロシステム」を採用し、発売当初の日本仕様のエンジン及びグレードは、2L直4ターボ(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)搭載の「2.0TFSIクワトロ」と、3.2L V6NA(最高出力270ps/最大トルク30.6kgm)搭載の「3.2FSIクワトロ」の2種類がラインナップされました。トランスミッションは、共に7速Sトロニック(DCT)が採用されました。
装備面では、急な下り坂でブレーキ操作なしに一定速度を維持出来る「ヒルディセントアシスト」や坂道発進をアシストする「アウディ・ホールドアシスト」、悪路での横滑りを防止するESPオフロードモード、ルーフ上の積載物を感知し最適な姿勢制御を行うルーフ感知機能付ESPなど、オフロード走行時の安全性を高める為の数々のメカニズムが標準装備されます。
エンジンの改良やハイブリッド車の追加を実施
そして2010年7月に一部改良を実施し、装備の充実が図られました。次いで2012年11月にマイナーチェンジを実施し、内外装のデザイン変更が行われると同時に、エンジンにリファインが施されました。「2.0TFSIクワトロ」は最高出力が224psに向上、「3.2FSIクワトロ」は3L V6スーパーチャージャー仕様(最高出力272ps/最大トルク40.9kgm)に置換しグレード名を「3.0TFSIクワトロ」に変更、共に燃費が約20%向上しました。
次いで2013年2月に、2L直4ターボエンジン(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)とモーター(最高出力54ps/最大トルク21.4kgm)、そして8速ATから構成されるパラレル式ハイブリッドシステムを搭載する「Q5ハイブリッド」が追加されました。システムとして最高出力245ps/最大トルク48.9kgmを発生すると共に、JC08モード燃費は「2.0TFSIクワトロ」を0.2km/L上回る12.7km/Lを実現しています。
駆動方式はクワトロを踏襲し、モーター単独走行のEVモードで最高速度100km/hでの走行が可能となる他、60km/hの速度で約3kmの走行が可能となっています。