フォルクスワーゲンの大型ミニバン「シャラン」は、初代モデルの輸入が1999年いっぱいで終了して以来国内においてはラインナップから消えていたものの、欧州で2010年に15年ぶりにリニューアルされた2代目モデルが発表されると、翌2011年2月から12年ぶりに輸入が再開されました。初代モデルからデザインが一新されると共に、パワートレインのダウンサイジングにより燃費が大幅に向上した事が特徴となります。
ボディ形状が先代から大幅に変化
ボディ形状は先代のモノフォルムからキャブオーバー型へと大きく変貌し、フロントマスクは6代目「ゴルフ」を彷彿とさせるデザインが採用されました。又、先代のオールヒンジドアに対し左右の後席用ドアがスライドドアとなり、乗降性が改善された事も特徴でした。ボディサイズは全長4,855mm×全幅1,910mm×全高1,750mmで、全高を除き先代から一回り拡大されています。
又、ホイールベースも延長され2,920mmとなった他、車両重量も増加し1,830kgとなっています。サスペンション形式は、6代目ゴルフなどと同様の前:ストラット式/後4リンク式を採用します。駆動方式はFFで、エンジンは欧州仕様にラインナップされる2種類のガソリンと2種類のディーゼルの中から、日本には1.4L直4TSIツインチャージャー(ターボ+メカニカルスーパーチャージャー)ユニットが導入されました。
燃費が2倍に向上し装備も充実
スペックは最高出力150ps/5,800rpm・最大トルク24.5kgm/1,500~4,000rpmで、アイドリングストップ機構と減速エネルギー回生機構の採用や高効率な6速DSGとの組み合わせにより、2.8L V6エンジンを搭載した先代から燃費が約2倍に向上しました。室内は先代同様の3列シート7人乗り仕様ながら、容易にシートアレンジが出来るよう改善が施された他、ニーエアバッグを含むSRS9エアバッグシステムが標準装備されました。
グレード体系は、ベースモデルの「TSI Comfortline」と上級グレードの「TSI Highline」が設定され、後者にはリアビューカメラやバイキセノンヘッドランプ、パワーテールゲート、パドルシフトなどが装備されます。そして2012年10月に、一部改良により駐車支援システム「パークアシスト」やドライバー疲労検知システムが全車に装備されると共に、グレード名の後に「BlueMotion Technology」の名が付加されました。