アルファロメオのスーパースポーツ「8Cコンペティツィオーネ」は、まずプロトタイプが2003年のフランクフルトモーターショーに出展され、量販車は2006年に世界初公開されました。同社として久々の2シータースポーツモデルであると同時に全世界500台の限定販売車で、同年10月に日本国内での予約受付が開始されました。国内では2007年4月に実車が初披露されたものの、その時点では既に完売となっていました。
軽量化と理想的な前後重量配分を実現
ボディタイプはフィクスドヘッドの2ドア2シータークーペで、追って2008年3月のジュネーブモーターショーで電動ソフトトップを備える2シーターカブリオレの「8Cスパイダー」が発表されました。ロングノーズ・ショートデッキのプロポーションと流麗なシルエットを持つボディのデザインは、社内チームにより行われ、素材にはカーボンファイバーと樹脂が用いられ軽量高剛性化が図られました。
ボディサイズは全長4,397mm×全幅1,892mm×全高1,340mm、ホイールベースは2,646mmで、車両重量は1,575kgでした(いずれもコンペティツォーネのデータ)。駆動方式はアルファ製スーパースポーツの伝統ともいえるFRで、トランスミッションを後方に分割配置するトランスアクスルレイアウトの採用により、前後重量配分は理想に近い49:51を実現していました。
サスペンション形式は、「マセラティ・グランスポーツ」と同様の4輪ダブルウィッシュボーン式で、ブレーキは前後ともブレンボ社との共同開発による330mm径のドリルドベンチレーテッドディスクブレーキが採用されました。又、タイヤは前:245/35R20、後:285/35R20というサイズの「ピレリ・P Zero」が装着されました。
Top Gearでのアルファロメオ 8Cインプレッション
パワートレインはV8エンジンとAMTの組み合わせ
フロントに搭載されるエンジンは、コンペティツィオーネ/スパイダー共に「マセラティ・クーペ」に搭載されたユニットを源流とする4.7L V8 DOHC NA仕様で、最高出力450ps/7,000rpm・最大トルク47.9kgm/4,750rpmのアウトプットを発生しました。トランスミッションには、これもマセラティ・クーペ譲りの6速シングルクラッチ式AMTの「Q-セレクト」が組み合わせられました。
変速モード切替システムも備わり、「ノーマル」「スポーツ」「オートマチック」「アイス」の4モードの選択が可能でした。最高速度及び0-100km/h加速タイムは、コンペティツォーネが293km/h・4.2s、スパイダーが290km/h・4.4s(いずれも北米仕様のデータ)というもので、スーパースポーツに相応しいパフォーマンスを備えていました。
装備面では、オプションでカーボンファイバーステアリングやトップシーリング&コンソールレザー張り、BOSE製8スピーカーHiFiオーディオシステム、グローブボックス内i-Podキットなどが用意されていました。標準仕様の価格は、コンペティツィオーネが2,259万円、スパイダーが2,650万円でした。