1979年、アウディNSUアウトウニオンAGは、同社のフラッグシップモデルであった「アウディ・100」(2代目C2系)をベースにしたプレミアムモデル「アウディ・200」をリリースしました。プラットフォームやボディなど基本コンポーネンツを100と共有しながも、より上質な内外装が与えられた他、同社初のターボエンジンが設定された事が特徴でした。
強化サスペンションを採用
ボディタイプは、100と異なり2ドアセダンや5ドアハッチバックは設定されず、プレミアムモデルに相応しい4ドアセダンのみがラインナップされました。スタイリングは基本的に100と共通であったものの、角型4灯式のヘッドランプ(100は角型2灯式)やチンスポイラー、1インチアップの15インチホイール&タイヤなどの採用により、差別化が図られていました。
ボディサイズは全長4,694mm×全幅1,768mm×全高1,389mmで、100と実質的に同等、ホイールベースも同一の2,677mmでした。サスペンションは、形式こそ100と同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式ながら、高められた動力性能と扁平率60タイヤの装着を前提に強化が図られていました。
ターボ車は最高速度200キロオーバーの性能
駆動方式は縦置きFF方式が踏襲され、エンジンは2.1L直5SOHC電子燃料噴射NA仕様(最高出力136ps/最大トルク18.9kgm)及び同ターボ仕様(最高出力170ps/最大トルク27kgm)のガソリン2種類が用意されました。トランスミッションはNAエンジンには4速MTが、ターボエンジンには5速MTが組み合わせられた他、3速トルコン式ATも用意されました。
ターボ・MT仕様車は最高速度202km/hの動力性能を発揮し、同社として初めて200km/hの大台に乗ったモデルとなりました。その他の機構面では、ステアリング形式は100同様パワーアシスト付のラック&ピニオン式を踏襲する一方、ブレーキはターボエンジン搭載車に同社初の4輪ディスク式が採用されました。
一方インテリアは、100と異なる専用デザインのステアリングホイールやシートなどが装着されました。そして1982年に、ベースモデルの100がフルモデルチェンジを受け3代目C3系に移行した為、翌1983年に200も2代目C3系に切り替えらえました。日本市場における初代200は、1981年からヤナセの手によりターボエンジン+AT仕様グレード「5T」の導入が開始されました。
但し厳しい日本の排出ガス規制に対応した為、アウトプットは最高出力135ps/最大トルク20.6kgmへと大きくドロップし、最高速度も180km/hに留まりました。そして1982年モデルから、ヘッドランプがハロゲン化されました。