ダイハツは2015年9月、5ドアハッチバックのクロスオーバー型軽乗用車「キャスト」を発売しました。軽トールワゴン「ムーヴ」をベースとし、基本性能の高さや充実した安全装備といった美点を踏襲しつつ、独自性に溢れる個性的な内外装デザインを採用した他、キャラクターの異なる3つのバリエーションが用意される点が大きな特徴となっています。
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軽量かつ高剛性なボディを採用
基本的なスタイリングは、曲線的なボディラインや水平基調のベルトライン、丸型2灯式ヘッドランプや台形グリルが備わるフロントマスクなど、他のダイハツ製軽乗用車とは全く異なるデザインポリシーが特徴となっています。ボディの構造はムーヴにも採用された軽量高剛性な「Dモノコック」で、更に軽量化を図る為ボディ外板の一部に樹脂パネルが採用されています。
前述した3つのバリエーションは、クロスオーバーSUVテイストの「アクティバ」と都会的なテイストを持つ「スタイル」、そしてエアロパーツや専用の足回りなどによりスポーティーなテイストが備わる「スポーツ」となります。外観上の相違点は、まず「アクティバ」は樹脂製ガーニッシュなどが備わる他、大径タイヤの採用などにより他のモデルより大きいロードクリアランスが確保される点が特徴となります。
一方「スタイル」は、各所にメッキの加飾が加えられる点が特徴となっています。そして「スポーツ」は、専用エアロパーツやLEDイルミネーションランプなどの装備により差別化が図られています。ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,600mm(スタイル/スポーツ)/1,630mm(アクティバ)で、ムーヴと比較すると全高が同等若しくはやや低く、ホイールベースは同一の2,455mmとなっています。
基本メカニズムはムーヴと共通
車両重量は840~890kgで、ムーヴの820~900kgと大差ないものとなっています。駆動方式はFFとオンデマンド方式のフルタイム4WDが設定され、サスペンションはムーヴと同様高剛性な「Dサスペンション」を採用し、形式も前:ストラット式/後:トーションビーム式(FF)・3リンク式(4WD)で共通となっています。搭載されるエンジンは、多くの同社製軽自動車に搭載される0.66L直3のKF型となります。
スペックは、NA仕様が最高出力52ps/最大トルク6.1kgm、ターボ仕様がそれぞれ64ps/9.4kgmで他のモデルと同一となっています。トランスミッションは全車CVTで、「スポーツ」のみ7速マニュアルモード付となります。JC08モード燃費は25~30km/Lで、ほぼムーヴと同等の数値となっています。又インテリア面では、エクステリア同様各バリエーションで異なるディテールが与えられます。
装備面では、「ムーヴ」や「タント」にも備わる安全運転支援システム「スマートアシストⅡ」が、ベーシックグレード「X」を除く全車に標準装備されます。又、「アクティバ」4WD車のみの装備として、滑り易い路面での空転を防止する「グリップサポート制御」や、急な下り坂でブレーキ操作なしに一定速度を維持出来る「ダウンヒルアシストコントロール」といった「スズキ・ハスラー」の4WD車に類似した機能が備わります。