フォード・モーターは2006年、北米市場において「エスケープ」と「エクスプローラー」の間を埋めるアッパーミディアムクラスのクロスオーバーSUV「エッジ」をリリースしました。プラットフォームやボディシェルなどは同時期にリンカーン・ブランドからデビューを果たした「MKX」と共通で、外観面ではフロントグリルなど一部の意匠が異なっていました。
ワイド&ローなプロポーション
ボディタイプは5ドアのみの設定で、スタイリングはボクシーなエスケープやエクスプローラーと異なり、A/Cピラーに強い傾斜の付けられた乗用車的なフォルムを備えていました。ボディ・ディメンションは全長4,717mm×全幅1,925mm×全高1,707mm、ホイールベース2,824mmで、エスケープやエクスプローラーに対しワイド&ローなディメンションとなっていました。
又、車両重量は初期型で1,847~1,942kgでした。駆動方式は「インテリジェントAWD」と呼ばれる電子制御式フルタイム4WDの他、FFも設定されました。当初採用されたパワートレインは、「デュラテック35」と呼ばれる3.5L V6DOHC NAエンジン(最高出力269ps/最大トルク34.6kgm)と新開発の6速トルコン式ATの組み合わせで、これはMKXとも共通でした。
サスペンション形式はMKXと同様フロント:マクファーソンストラット式/リア:マルチリンク式で、ブレーキも同様にフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式(ABS付き)が採用されました。又、タイヤは235/65R17又は245/60R18が装着されました。当初のグレード体系は、下から「SE」「SEL」「リミテッド」の3タイプのラインナップでした。
装備面では、SEL以上に運転席6ウェイパワーシートや6連奏CDチェンジャーなどが、更にリミテッドには助手席6ウェイパワーシートやデュアルゾーン・オートエアコンなどが採用されました。その後2008年に245/50R20タイヤなどが備わる最上級グレード「スポーツ」が追加され、2010年にはエンジンのアウトプットが最高出力289ps/最大トルク35.1kgmに向上しました。
フェイスリフトと共にエンジンを一新
次いで2011年にフェイスリフトが実施され、フロントマスクやホイールの意匠、内装のマテリアルなどが変更されました。同時にエンジンも変更され、SE/SEL/リミテッドには「エコブースト」と呼ばれる2L直4DOHCターボ(最高出力243ps/最大トルク37.3kgm)が、スポーツには「デュラテック37」と呼ばれる3.7L V6DOHC NA(最高出力309ps/最大トルク38.8kgm)が搭載されました。
又、装備面ではリミテッドに新インフォテインメントシステム「MyFord Touch(マイフォードタッチ)」などが、スポーツにシフトパドルなどが採用されました。そして2015年にフルモデルチェンジが実施され、現行型に移行しました。エッジは、初代/2代目共に日本市場への正規輸入は行われませんでした。