1996年にデビューしたフォード・モーター(ヨーロッパ・フォード)のコンパクト・パイクカー「Ka」(カー)は、2008年に12年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、2代目モデルに移行しました。初代がフォード・フィエスタがベースであったのに対し、2代目はフィアットのコンパクトカー「500」と基本メカニズムを共有する姉妹車種となりました。
フィアット製プラットフォームとエンジンを採用
プラットフォームは、「フィアットMiniプラットフォーム」が採用されました。ボディタイプは先代に設定されていた2ドアコンバーチブルが廃止され、3ドアハッチバックのみのラインナップとなりました。スタイリングは先代からモダナイズされながらも、「キネティック・デザイン」と呼ばれる丸みを帯びた個性的なフォルムや異型ヘッドランプなどの特徴が受け継がれました。
また、空力特性も追求され、Cd値は0.337を実現していました。ボディサイズは全長3,620mm×全幅1,658mm×全高1,505mmで、全長は先代と変わらないものの、全幅が27mm、全高が137mm拡大されました。ホイールベースはフィアット・500と共通の2,300mmで、先代からは148mm短縮されました。
駆動方式は先代およびフィアット・500同様のFFで、エンジンは先代がフォード製1.3L/1.6L直4SOHCを搭載したのに対し、フィアット製の1.2L直4DOHCガソリンNA「デュラテック(※フィアット名はファイア)」(最高出力69ps/最大トルク10.4kgm)および1.2L直4ディーゼルターボ「デュラトルク(※フィアット名はマルチジェット)」(最高出力75ps/最大トルク14.8kgm)が採用されました。
先代同様MT仕様のみを設定
組み合わせられるトランスミッションは先代同様5速MTのみの設定で、フィアット・500に用意される5速AMTは設定されませんでした。最高速度はガソリンモデルが159km/h、ディーゼルモデルが161km/hで、0-100km/h加速はともに13.1sでした。サスペンション形式はフィアット・500と共通で、フロントにマクファーソンストラット式、リアにトーションビーム式が採用されました。
ブレーキ形式は、フロントはガソリンモデルにはソリッド式の、ディーゼルモデルにはベンチレーテッド式のディスクブレーキが装備され、リアは全車にドラム式が採用されました。ホイール&タイヤは、5.5J×14ホイール+175/65R14タイヤが装着されました。また、ラック&ピニオン式を踏襲するステアリングのパワーアシストは、従来の油圧式から電動式に変更されました。
一方インパネのデザインは、曲線基調を踏襲しながらも遥かにモダンな造形に変貌しました。そして2016年にフルモデルチェンジが実施され、3代目モデルに移行しました。