フォード・モーター(フォード・ヨーロッパ)は2008年、欧州において前年のフランクフルト・ショーに出展したプロトタイプをベースとした新型クロスオーバーSUV「クーガ」を発売しました。プラットフォームは、同社のコンパクトカー2代目「フォーカス」や初代「マツダ・アクセラ」などと共通のフォード・C1プラットフォームが採用されました。
様々な電子デバイスを採用
「キネティックデザイン」と呼ばれるアグレッシブなスタイリングを持つ5ドアボディは空力特性にも配慮されており、SUVとしては優秀なCd値0.379を実現していました。ボディサイズは全長4,443mm×全幅1,842mm×全高1,710mmで、SUVとしては比較的コンパクトに纏められていました。又、ホイールベースは2,690mmで、フォーカスよりも50mm長く設定されていました。
サスペンション形式は、フォーカスと同一のフロント:ストラット式/リア:マルチリンク式が採用されました。駆動方式は「インテリジェントAWD」と呼ばれる電子制御式フルタイム4WDの他、FFも設定されました。エンジンは、2.5L直5ガソリンターボ(最高出力200ps/最大トルク32.6kgm)と、2L直4ディーゼルターボ(最高出力136ps/最大トルク32.6kgm)が用意されました。
トランスミッションは6速MTの他、前者には5速トルコン式ATも設定されました。又、ブレーキは全車にフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。その他、電子デバイスとしてESP(横滑り防止装置)や、タイヤ空転時などに左右のトルクを再配分する「BLD」、横転を防止する「ARM」が標準装備されました。
ディーゼルエンジンがパワーアップ
その後2010年に実施されたフェイスリフトの際に、ディーゼルエンジンのアウトプットがFF用は最高出力140psに、4WD用は最高出力163ps/最大トルク34.7kgmに高められました。そして2012年にフルモデルチェンジが実施され、現行2代目モデルに移行しました。日本市場への初代クーガの初上陸は2010年7月で、ドライブトレインは2.5Lガソリンエンジン+5速AT+4WDのみの設定でした。
当初のグレード体系は、標準グレード「トレンド」と、パノラミックルーフやクルーズコントロール、シートヒーター付レザー製パワーシートなどが装備される上級グレード「タイタニアム」の2タイプで、いずれも右ハンドル仕様となっていました。その後2012年3月に、トレンドにタイタニアムのみの装備だったHIDヘッドランプが採用されるなど、仕様向上が図られました。
更に同年8月には、エアロパーツや大径19インチアルミホイール、専用ブラックレザーシートなどが装備される最上級グレード「インディビデュアル」が追加されました。