ホンダは2005年4月に、初代「フィット」(GD1/2/3/4型)をベースとしたコンパクト・ステーションワゴン「エアウェイブ」を発売しました。「New Wave Compact」をコンセプトに掲げ、室内空間の広さと心地よさ、荷室スペースの大きさと使い勝手の良さなどに拘った設計が行われました。又、大面積のガラスルーフ「スカイルーフ」装備車を設定した事も特徴でした。
流麗なフォルムを採用
ボディ構造は、低床フロアとゆとりある室内空間を実現する為、フィットと同様のセンタータンクレイアウトが採用されました。スタイリングは流麗なウェッジシェイプのフォルムが特徴で、更にスカイルーフ装着車はフロントウィンドウからルーフにかけてガラスエリアが繋がる一体感あるデザインが持ち味でした。
ボディサイズは全長4,350mm×全幅1,695mm×全高1,530~1,545mmで、フィットより一回り拡大されたものの5ナンバーサイズがキープされました。ホイールベースは100mm延長され2,550mmとなり、車両重量は1,160~1,250kgとなりました。駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式はフロントがストラット式、リアがリジッド・アクスル式(FF)及びドディオン・アクスル式(4WD)でした。
エンジンは「モビリオ/モビリオスパイク」にも採用された1.5L直4SOHC VTEC仕様のL15A型で、最高出力110ps/最大トルク14.6kgmのスペックも同一でした。トランスミッションは全車にCVT「ホンダ・マルチマチックS」が採用されました。又、ブレーキはフロントにベンチレーテッドディスク式が採用されました(リアはドラム式)。
多彩なシートアレンジを実現
室内面では、4種類のシートアレンジが可能な「ULTR SEAT(ウルトラシート)」の採用や、鳥が翼を広げる姿をモチーフとしてデザインされたインパネが特徴でした。発売当初のグレード体系は、標準グレード「G」「Gスカイルーフ」と上級グレード「L」「Lスカイルーフ」が設定され、「L」「Lスカイルーフ」はCVTにパドルシフト+7速マニュアルモードが備わりました。
そして2006年3月にマイナーチェンジが実施され、全車にイモビライザーやアレルフリー高性能脱臭フィルターが標準装備された他、オプション装備の充実が図られました。次いで2007年6月に一部改良が行われ、全車にフルオートエアコンが標準化された他、グレード体系が変更されスカイルーフ無しの「M」とスカイルーフ付きの「SKY」の2タイプとなりました。
続いて2008年4月に2度目のマイナーチェンジが実施され、内外装の変更と共に、グレード体系が「M」とエアロパーツが備わる「ST」の2タイプとなり、スカイルーフは両グレードにオプション装備となりました。そして2010年8月に生産終了となり、2011年6月発売の「フィットシャトル」が実質的な後継モデルとなりました。