ホンダは1999年9月、北米向け「アコード」(6代目)をベースとする国内市場専用の新型ステーションワゴン「アヴァンシア」を発売しました。「リムジン空間」をコセンプトにパッケージングや内装の質感・装備に拘り、上質でゆとりある室内空間を実現したモデルでした。同時に、個性的なスタイリングもセリングポイントとされました。
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アーチフォルムキャビンを採用
そのスタイリングは、室内空間を確保する為の「アーチフォルムキャビン」や、狭いスペースでも開口部を大きくとれる「トップライトウイングハッチ」、室内を明るく開放的にする「トップライントウィンドウ」の採用により、特徴あるフォルムを備えていました。ボディサイズは全長4,700~4,755mm×全幅1,790~1,810mm×全高1,485~1,545mmで、全車立体駐車場への入庫が可能でした。
ホイールベースはアコードより延長され2,765mmとなり、車両重量は1,500~1,690kgでした。サスペンション形式はアコードと同一の4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式はFFとデュアルポンプ式のフルタイム4WDが設定されました。エンジンは、2.3L直4 SOHC VTECのF23A型(最高出力150ps/最大トルク21kgm)と、3L V6 SOHC VTECのJ30A型(最高出力215ps/最大トルク27.7kgm)が用意されました。
トランスミッションは、2.3L車には4速トルコン式ATが、3L車にはホンダ車初となる5速トルコン式ATが組み合わせられ、共にインパネシフトの採用により前席ウォークスルーが可能でした。発売当初のグレード体系は、2.3L FFの「L」「L Gパッケージ装着車」、2.3L 4WDの「L-4」「L-4 Gパッケージ装着車」、3L FFの「V」の全5タイプがラインナップされました。
ホンダ アヴァンシアのCM
充実した装備が特徴
装備面では、全車にSRSデュアルエアバッグシステムやEBD付ABS、レーザーレーダー方式の車間距離制御機能といった安全装備や、リア・ベンチレーション、ルーフコンソールボックスなどの快適装備が採用されました。更に「V」及び「Gパッケージ」には、スライド&リクライニング機能が備わるリアシート「2ウェイラウンジシート」や、リアシートテーブルなどが装備されました。
又、4WD車には大型バンパーやルーフレール、16インチタイヤ(FF車は15インチ)などが装備され、FF車と外観上の差別化が図られていました。そして2000年3月に3Lエンジン搭載の4WDグレード「V-4」が追加され、次いで同年9月には「L」「L-4」をベースに専用のフロントグリルやボディカラーを採用すると共に、装備を充実させた特別仕様車「フリーウェイ」が追加されました。
続いて2001年9月にマイナーチェンジが実施され、装備の充実が図られると同時に、ボディ剛性を強化すると共にローダウンサスペンションやエアロパーツなどを装備した2.3L FFの新グレード「ヌーベルバーグ」が追加されました。次いで2003年2月に、「ヌーベルバーグ」及び「L-4」をベースにプライバシーガラスを装備した特別仕様車「プライベートスタイル」が発売されました。
そして同年10月、販売不振などの理由により後継モデルの発売もないまま生産終了となりました。