
ジャガー XF 2008
ジャガーは2007年9月のフランクフルト・ショーにおいて、「Sタイプ」に代わる新たな4ドアサルーン「XF」を発表しました。スポーティかつラグジュアリーなモデルと位置付けられると共に、スタイリングはレトロ調のSクラスとは対照的な現代的かつ精悍なイメージに一新されました。
空力特性に優れたボディ
4ドアクーペ風のファストバック・スタイルが取り入れられたボディは、歴代ジャガー車で最も低いCd値0.29を実現するなど空力特性にも優れていました。ボディサイズは全長4,961mm×全幅1,877mm×全高1,460mmで、Sタイプから全項目において拡大されました。一方、ホイールベースはSタイプと同等の2,909mmでした。

ジャガー XF 2008
駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは当初3L V8 NA(最高出力238ps/最大トルク29.9kgm)、4.2L V8 NA(最高出力298ps/最大トルク41.9kgm)、同スーパーチャージド(最高出力416ps/最大トルク57.1kgm)のガソリン3種類と、2.7L V6ディーゼルターボ(最高出力207ps/最大トルク44.4kgm)が用意されました。トランスミッションは、全車に6速トルコン式ATが組み合わせられました。
サスペンション形式は、Sタイプの4輪ダブルウィッシュボーン式からリアがマルチリンク式に変更された他、トップグレードには電子制御アクティブサスペンションが装備されました。又、全車に車速感応型の可変ギアレシオ・ステアリングが採用された事も特徴でした。一方インテリアは、ウッドとアルミで仕上げられたセンターコンソールに、ダイヤル式のシフトセレクターが装備されました。
エンジンを置換
その後2009年に、4.2L V8エンジンが新設計の5L V8エンジンに置き換えられ、スペックがNA仕様は最高出力385ps/最大トルク52.5kgmに、スーパーチャージド仕様は最高出力507ps/最大トルク63.7kgmに向上しました。又、同じ年にディーゼルターボエンジンが3Lに拡大され、こちらは最高出力240ps/最大トルク51kgmと、最高出力275ps/最大トルク61.2kgmの2種類の仕様が設定されました。

ジャガー XF 2008
次いで2011年、フェイスリフトによりフロント廻りとリア廻りの意匠が変更されると共に、2.2L直4ディーゼルターボエンジン(最高出力190ps/最大トルク45.9kgm)が追加されました。続いて2012年には、5ドアステーションワゴンの「XFスポーツブレーク」がラインナップに加わると共に、ガソリンエンジンのラインナップが変更されました。

ジャガー XF 2011
それまでの3L/5L NAに代わり、2L直4ターボ(最高出力240ps/最大トルク34.7kgm)と、新設計の3L V6スーパーチャージド(最高出力340ps/最大トルク45.9kgm)が設定された他、セダンに5L V8スーパーチャージドエンジンのアウトプットを最高出力550ps/最大トルク69.3kgmまで高めて搭載する「XFR-S」が追加されました。そして2015年9月にフルモデルチェンジが実施され、現行型に移行しました。
日本にはガソリンモデルのみ導入
日本市場に導入されたのはガソリンモデルのみで、2007年11月にまず3.0ラグジュアリー/3.0プレミアムラグジュアリー/4.2プレミアムラグジュアリー(4.2L NA)/SV8(4.2Lスーパーチャージド)が上陸を果たしました。次いで2009年4月、4.2プレミアムラグジュアリー/SV8に代わり、5.0プレミアムラグジュアリー/ポートフォリオ(5L NA)と、XFR(5Lスーパーチャージド)の導入が開始されました。

ジャガー XF 2011
続いて2011年11月にはフェイスリフト版に切り替えられると共に、ポートフォリオが廃止されました。次いで2012年12月、XFRを除きラインナップが変更され、2.0ラグジュアリー/2.0プレミアムラグジュアリー/3.0プレミアムラグジュアリー(3Lスーパーチャージド)の3タイプとなりました。