光岡自動車は1996年、2年前にリリースした「ゼロワン」に続く市販車となる「ラ・セード」を500台限定で発売しました。1930年代のクラシックカーを彷彿とさせるスタイリングを特徴としながらも、基本コンポーネンツは「日産・シルビア(S13型)」からの流用であったため、現代の車としての走行性能や信頼性が備わる点が持ち味となっていました。
全長5.1mの大柄なボディサイズ
ボディタイプは4人乗りのフィクスドヘッド・2ドアクーペで、エクステリア・デザインはグリーンハウスこそシルビアの造形がそのまま流用されたものの、大きく張り出した前後のフェンダーやランニングボード、ボディ側面のスペアタイヤカバーなどにより、まったく異なるイメージにまとめられていました。
ボディ・ディメンションは全長5,100mm×全幅1,870mm×全高1,280mm、ホイールベース3,375mmで、シルビアよりもはるかに大きく、フルサイズのアメリカ車に匹敵するものでした。駆動方式はFRで、エンジンはシルビアと共通の1.8L直4DOHC(最高出力135ps/最大トルク16.2kgm)が搭載されました。組み合わせられるトランスミッションは、4速トルコン式ATでした。
初代ラ・セードの動画
2000年にS15シルビアベースで2代目モデルに
その後2000年に、S15型シルビアをベースとした2代目モデルが100台限定でリリースされました。エクステリア・デザインは初代のイメージが踏襲され、ボディ・ディメンションは全長5,230mm×全幅1,880mm×全高1,270mm、ホイールベース3,425mmと全長とホイールベースが延長されました。
駆動法式はFRを踏襲し、エンジンはS15型シルビア譲りの2L直4DOHC(最高出力160ps/最大トルク19.2kgm)が搭載されました。トランスミッションは、先代同様4速トルコン式ATが組み合わせられました。サスペンション形式は、フロントにマクファーソンストラット式、リアにマルチリンク式が採用されました。
また、ブレーキはフロントがベンチテーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式で、タイヤは195/65R15サイズが装着されました。グレードはベーシックな「Aタイプ」と上級の「Bタイプ」がラインナップされ、安全装備面では全車にSRSデュアルエアバッグシステムやブレーキアシスト付きABSなどが採用されました。
一方快適装備としては、全車にフルオートエアコンやCDプレーヤー付きカーオーディオシステムなどが、さらにBタイプにはサンルーフが標準装備されました。ボディカラーは、「エリザベスホワイト」「クィーンズレッド」「ロイヤルブルー」の3色が設定されました。その後、2004年に本革シートを採用した特別仕様車が設定されたのち、同年をもって生産終了となりました。