フォルクスワーゲンは2002年、ポルシェとの共同開発によるクロスオーバーSUV「トゥアレグ」を発売しました。このカテゴリーとして同社初のモデルで、同時期にデビューしたポルシェの「カイエン」とはプラットフォームを共有する姉妹車種の関係にありました。一方でパワートレインはカイエンと異なり、同社オリジナルのユニットが採用されました。
全車フルタイム4WD方式を採用
ボディタイプは、リアウィドウのみの開閉も可能なテールゲートが備わる5ドアで、エクステリア・デザインはカイエンとは全く異なり、同社独自の「ハッピーフェイス」と呼ばれるフロントマスクが採用されました。ボディサイズは全長4,754mm×全幅1,928mm×全高1,726mmで、カイエンに対し僅かに全長が短く全高の高いディメンションでした。
ホイールベースはカイエンと同一の2,855mmとなる一方、サスペンション形式はフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:4リンク式のカイエンと異なり、リアにもダブルウィッシュボーン式が採用されました。駆動方式は、全車に「4MOTION」と呼ばれる電子制御式センターデフロックが備わるフルタイム4WDが採用されました。
エンジンは当初、3.2L V6ガソリンNA(最高出力220ps/最大トルク31.1kgm)、4.2L V8ガソリンNA(最高出力310ps/最大トルク41.8kgm)、5L V10ディーゼルターボ(最高出力313ps/最大トルク76.4kgm)の3種類が用意され、トランスミッションは6速MT又は6速トルコン式ATが組み合わせられました。
又、安全装備としてSRSデュアル&サイドエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付ABS、ESP(横滑り防止装置)などが標準装備されました。その後、新たなエンジン・ラインナップとして2003年に2.5L直5ディーゼルターボ(最高出力174ps)が、2004年に3.6L V6ガソリンNA(最高出力280ps)と3L V6ディーゼルターボ(最高出力225ps)が追加されました。
W12気筒車やハイブリッド車を追加
更に2005年には、6L W12ガソリンNAエンジン(最高出力450ps/最大トルク61.2kgm)搭載車が世界限定500台で発売されました。次いで2007年にマイナーチェンジが実施され、フェイスリフトと同時に2,300点もの部品が更新されました。同時にガソリン3.6L/4.2Lエンジンが直噴化され、スペックが前者は最高出力280ps/最大トルク36.7kgmに、後者は最高出力350ps/最大トルク44.9kgmになりました。
続いて2009年には、3L V6ガソリン直噴スーパーチャージドエンジン(最高出力225ps)+モーター(最高出力38kW)+8速トルコン式ATから構成されるハイブリッドユニットを搭載する「V6TSIハイブリッド」が追加されました。そして2010年にフルモデルチェンジが実施され、現行型となる2代目モデルに移行しました。
日本市場には、まず2003年9月に3.2L V6エンジン搭載の「V6」と4.2L V8エンジン搭載の「V8」が導入され、2005年7月に6L W12エンジン搭載の「W12スポーツ」が追加されました。2007年5月にはマイナーチェンジ版に切り替えられ、V6には3.6L V6直噴エンジンが、V8には4.2L V8直噴エンジンが搭載されました。そして2011年2月に新型に切り替えられました。