初代モデルが1997年にデビューしたメルセデス・ベンツのコンパクトカー「Aクラス」は、2012年に欧州で発表され2013年1月から日本での販売が開始され3代目となりました。Bセグメントのトールワゴンタイプだった初代や先代から一転し、ボディをCセグメントサイズに拡大すると共に背の低いハッチバックタイプに変貌、同時に総合的なパフォーマンスの向上が図られました。
長く低いボディ形状に変貌
ボディは欧州仕様も5ドアハッチバックのみの設定で、スタイリングは丸みを帯びたプロポーションだった初代や先代からイメージを一新し、彫刻的な造形と押し出しの効いたフロントマスクを持つ精悍なものになっています。ボディサイズは全長4,290~4,355mm×全幅1,780mm×全高1,420~1,435mmで、先代から全長が400mm以上延長された一方、全高は160mm以上低くなっています。
又、プラットフォームを2代目「Bクラス」と共有する為ホイールベースも同一の2,700mmで、先代からは130mm長くなっています。車両重量は1,430~1,550kgで、先代から100kg以上増加しています。サスペンションはBクラス同様の前:マクファーソンストラット式/後:マルチリンク式で、駆動方式はFFのみであった先代に対し、Bクラス同様にフルタイム4WDもラインナップされます。
欧州仕様にはガソリン/ディーゼル全6種類のエンジンが用意される中から、日本向けの搭載エンジン及びグレードは、まず1.6L 直4ターボ(最高出力122ps/最大トルク20.4kgm)の「A180」及び「A180スポーツ」と、2L 直4ターボ(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)の「A250シュポルト」の2種類が導入されました。トランスミッションは全車7速DCTで、駆動方式はFFでした。
安全装備も充実
安全装備面では、レーダー型衝突警告システム「CPA」やドライバーの疲労を検知して警告する「アテンションアシスト」、衝突時に歩行者を保護する「アクティブボンネット」が全車に標準装備される他、全車速追従型レーダークルーズコントロール「ディストロニックプラス」や車線変更をアシストする「ブラインドスポットアシスト」がオプション設定されます。
そして同年7月に、専用の内外装を備え、クラス最強となる最高出力360ps/最大トルク45.9kgmのスペックを持つ2L直4ターボエンジン搭載するフルタイム4WDモデル「A45AMG」が追加されました。次いで2014年4月に、「A250シュポルト」がカタログ落ちし、替わりにその4WD版である「A250シュポルト4MATIC」が追加されました。エンジンのスペックは同一で、車両重量が70kg増加しました。
先代から走行性能や環境性能などが向上したAクラスは、欧州では同じセグメントの「フォルクスワーゲン・ゴルフ」や「BMW1シリーズ」などがライバルとなり、販売面で熾烈な競合を繰り広げています。