1997年秋にダイムラー・クライスラー(現ダイムラーAG)初のハッチバック・コンパクトカーとしてデビューした「Aクラス」は、2004年に7年ぶりにフルモデルチェンジが実施され、2代目W169型に移行しました。先代からのキープコンセプトで、「サンドイッチ・コンセプト」と呼ばれる2重フロア構造も受け継がれた一方、プラットフォームやパワートレインは刷新されました。
ボディを拡大し居住性が向上
先代同様5ドアのボディは、ロングホイールベース仕様の「Lシリーズ」が廃止され、標準仕様のみとなりました。スタイリングは丸みを帯びたモノフォルムを受け継ぎながらも、シャープなイメージを強めたものとなりました。ボディサイズは全長3,838mm×全幅1,764mm×全高1,593mmで、先代Lシリーズとの比較においても一回り大きく、居住性の向上に結び付きました。
又、2,568mmのホイールベースは先代の標準仕様からは延長されたものの、Lシリーズよりは若干短いものでした。サスペンション形式は先代同様のフロント:ストラット式/リア:パラボリック・リアアクスル式が採用され、駆動方式もFFが踏襲されました。パワートレインは、一般ユーザー向けには従来同様ガソリン及びディーゼルエンジンが用意されました。
ラインナップは、ガソリンは1.5L直4SOHC(最高出力95ps/最大トルク14.3kgm)の「A150」、1.7L直4SOHC(最高出力116ps/最大トルク15.5kgm)の「A170」、2L直4SOHC NA(最高出力136ps/最大トルク18.9kgm)の「A200」、同ターボ(最高出力193ps/最大トルク28.6kgm)の「A200ターボ」の4タイプでした。
一方、ディーゼルは2L直4DOHCターボの1ユニットながら、最高出力82ps/最大トルク18.4kgmの「A160CDI」、最高出力108ps/最大トルク25.5kgmの「A180CDI」、最高出力140ps/最大トルク30.6kgmの「A200CDI」の3タイプが用意されました。トランスミッションは5速/6速MTの他、引き続き設定されるATは、先代の5速トルコン式に代わり同社初のCVTが採用されました。
燃料電池車もリリース
一方で、社用・公用ユース向けに先代では間に合わなかった燃料電池車「F-Cell」がリリースされ、サンドイッチ・コンセプトが生かされたものとなりました。搭載モーターのスペックは最高出力88psで、最高速度160km/hの性能を備えていました。その後、2008年にフェイスリフトが実施されると共に、3ドアハッチバックの「クーペ」が追加されました。
そして2012年にフルモデルチェンジが実施され、現行W176型に移行しました。日本市場における2代目Aクラスは、ガソリンエンジン+CVT搭載の5ドア車のみが導入されました。まず2005年2月にA170/A170エレガンス/A200エレガンスが上陸を果たし、同年11月にA200ターボアバンギャルドが追加されました。
次いで2008年8月にA170/A170エレガンスがフェイスリフト版に切り替えられると共に、A200系がカタログ落ちしました。追って翌2009年には、グレード名がA180/A180エレガンスに変更されました。そして2012年5月に特別仕様車A180ファイナルエディションが設定された後、同年11月に現行W176型に切り替えられました。