私の思い出の車はカローラです。カローラのE11#型の後期で、どこにでもある大衆車と呼ばれる車なんですが、出会いも別れも今でも忘れられない子なんです。
見た目はオッサンカー。でも私は一目惚れ
この子と出会ったのは車をぶつけられ、代わりの車として来たのがカローラだったんです。ぶつけられた車はスターレットのMT。だから用意するならMTじゃなきゃ嫌だ!と相手の車屋さんを困らせてまで用意してもらった子なんです。見た目はオッサンカー。でも私は一目惚れでしたも当時付き合っていた恋人がスポーツカーで私もいずれはと思いつつ、セダンに憧れていたので、一石二鳥の気持ちでした。
初めてドライブしたのは納車の数日後でした。一人で近くの山へ夜中にドライブ!仕事終わってご飯食べて密かに行くのが楽しくて楽しくて、更に1500ccのエンジンに5速MT。楽しくて仕方なかったです。普通は恋人とドライブなんて行くものなんでしょうけど、私にとってこの子が恋人でした。
彼とデートの前日は
それからは親や兄弟を乗せて隣の市まで行ったり、通勤に使ったり普段も一緒でした。ただ厄介なのが恋人でした。恋人の彼とデートになるとやはり彼の車になってしまうんです。彼は80スープラである程度いじってあったので、スポーツカーとしては参考になる事が多いのですが、カローラを置いて行かないといけないのです。寂しいけど待っててねと彼とデートの前日はハンドルにぎゅーと抱きついていました。
その恋人と別れる時もカローラは穏やかに走ってくれました。この子には私を包み込む温かさがあったんだと思います。暖房じゃないですよ!シートから車全体からなんか感じられました。どんなに悩んでいても、カローラと走ればとりあえずなんとかなるのかなって、それでも答えが出ない時はドライブがてらに寝てしまったりしました。今思えば女の子一人、山の駐車場で寝てるんですから、危ないですよね。でもカローラだからか、全然人なんて寄って来ないんです。本当に恋人みたいにやんちゃな私を守ってくれました。
車が恋人なんてヘンですが
別れも突然でした。メンテナンスは常にしてきたので、故障なんてしたことなかったのですが、またぶつけられてしまいました。それも成人式に。成人式なんてどうでもいいから車屋さんに廃車にだけはしたくない!と伝えても保険で直らないし、直せてもガタがいつ来るかわからない状態だからと承諾されず、次の車が来るまでの間、毎日カローラを密かに見に行っていました。毎日泣いても仕方ないのは分かっていたのですが、悔しくて寂しくて仕方ありませんでした。
でも最後の最後まで私を守ってくれたカローラ。車が恋人なんて一般的にはヘンですが、今でも忘れられない子です。