日産の小型4ドアセダン「ティーダラティオ」は、Bセグメント・ハッチバック車「ティーダ」ベースの派生モデルとして開発され、2004年10月に発売されました。クラスを超えた高級感あるインテリアと居住性の高さ、トランクスペースの広さなどがセリングポイントでした。そして同クラスの「サニー」が2006年に生産終了となった後は、その購買層をもカバーする事となりました。
ティーダからボディ後半部分を延長
スタイリングはティーダの基本フォルムを踏襲しながら、ボディ後半部分の延長によりセミノッチバック型とされました。初期型のボディサイズは全長4,395mm×全幅1,695mm×全高1,535~1,540mmで、全長がティーダから190mm拡大されました。ホイールベースは同一の2,600mmで、車両重量もほぼ同等の1,100~1,210kgでした。
サスペンションはティーダと同様のフロント:ストラット式/リア:トーションビーム式で、駆動方式も同様にFFと電気式フルタイム4WDの「e-4WD」が設定されました。エンジンもティーダからのキャリオーバーで、まず1.5L 直4のHR15DE型(最高出力109ps/最大トルク15.1kgm)が用意され、翌2005年1月に1.8L 直4のMR18DE型(最高出力128ps/最大トルク17.9kgm)が追加されました。
トランスミッションは、1.5L FF車に4速トルコン式AT又はCVTが、1.5L 4WD車に4速トルコン式ATが、1.8L車にCVTが組み合わせられました。発売当初のグレード体系は、1.5L FFの「15B」「15S」「15M」「15G」、1.5L 4WDの「15S FOUR」「15M FOUR」、1.8L FFの「18G」がラインナップされ、全車に前席アクティブヘッドレストやEBD付ABS、ブレーキアシストなどが標準装備されました。
日産 ティーダラティオのCM
改良により1.5L CVT車の燃費が向上
更に「15G」には本革巻きステアリングホイール、本革/アルカンターラコンビシートなどが、「18G」にはそれらに加え運転席パワーシートなどが標準装備されました。そして2006年12月に一部改良が実施され、1.5L CVT車がパワートレインの改良により燃費向上を果たした他、インテリジェントエアコンシステム採用グレードの設定などの仕様変更が行われました。
次いで2008年1月にマイナーチェンジが実施され、フロントマスクや内装デザインが変更されると共に、「18G」に6速MT車が追加されました。続いて同年10月の仕様変更で、一部グレードにインテリジェントキー&エンジンイモビライザーが採用された他、「18G」にアルミホイールが標準装備されました。次いで2009年5月の仕様変更では、1.5L CVT車の燃費向上などの改良が行われました。
続いて2010年8月の一部改良で1.8L車が廃止され、1.5Lに一本化されると同時にFF全車にエコドライブをサポートする「ECOモード」が新設された他、「15S」のトランスミッションが4速トルコン式ATからCVTに変更され燃費が向上しました。そして2012年12月をもって全モデル生産終了となり、2代目の「ラティオ」にバトンが渡されました。