初代モデルが2000年にリリースされたフォード・モーターのコンパクトSUV「エスケープ」は、北米向けモデルが2007年にフルモデルチェンジを受け、2代目モデルに移行しました。プラットフォームや基本メカニズムは先代からのキャリオーバーながら、スタイリングの変更によりイメージ刷新が図られました。日本を含むアジア地域には導入されず、初代モデルが継続販売されました。
フロントマスクを一新
「フォードCD2プラットフォーム」に架装されるボディは、先代同様5ドアのみの設定でした。エクステリアは、基本的なフォルムは先代のイメージが踏襲されたものの、メッキ加飾が施された大型フロントグリルや大型異形ヘッドランプの採用などにより、フロントマスクのイメージが一新されました。一方、ボディ側面は先代よりもプレーンなデザイン処理となりました。
ディメンションは、ホイールベースは先代と同一の2,619mmに設定された一方、ボディサイズは一回り拡大され全長4,437mm×全幅1,806mm×全高1,725mmとなりました。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式を踏襲し、リアはマルチリンク式からダブルウィッシュボーン式に変更されました。
駆動方式は先代同様フルタイム4WDとFFが設定され、エンジンも当初は2.3L直4(最高出力155ps/最大トルク21kgm)と3L V6(最高出力203ps/最大トルク27.6kgm)、および2.3L直4+電気モーターのハイブリッドシステムがキャリオーバーされました。トランスミッションは先代同様、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
パワートレインをリニューアル
グレード体系は、ガソリンモデルは「XLS」「XLT」「リミテッド」が、ハイブリッドモデルはベースグレードとリミテッドがラインナップされました。その後、2009年モデルでパワートレインがリニューアルされました。2.3L直4は2.5L直4(最高出力173ps/最大トルク23.7kgm)に置き換えられ、3L V6も新世代ユニット(最高出力243ps/最大トルク30.8kgm)に置換されました。
また、ハイブリッドシステムはエンジンがアトキンソンサイクル採用の2.5L直4に置換されました。さらに、これらに組み合わせられるATが6速トルコン式に変更された他、サスペンションのセッティング変更も行われました。その他、エクステリア面では空力特性改善のための変更が施され、装備面では新インフォテインメントシステム「SNYC」が設定されました。
次いで2010年モデルでは、駐車をアシストする「APA(アクティブ・パーキング・アシスト)」がオプション設定されました。そして2012年にフルモデルチェンジが実施され、3代目エスケープ(欧州および日本市場では2代目「クーガ」)に移行しました。
先代モデル:初代エスケープ
後継モデル:3代目エスケープ