初代モデルが2000年にデビューしたフォード・モーターのSUV「エスケープ」は、2012年に5年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、現行3代目モデルとなりました。ヨーロッパ・フォードの開発による2代目「クーガ」の北米向けバージョンとなり、キャラクターがオフロード性能重視から都会派クロスオーバーSUVへと大きく変貌しました。
空力特性に優れたボディ
プラットフォームは、それまでの「フォードCD2プラットフォーム」から「フォードC1プラットフォーム」となりました。ボディタイプは従来同様の5ドアながら、エクステリアは「キネティックデザイン」と呼ばれる流麗なスタイリングに一新されました。このボディは空力特性にも優れており、Cd値は0.336を実現していました。
ボディサイズは全長4,524mm×全幅1,839mm×全高1,684mmで、先代との比較では全長・全幅が拡大された一方、全高は低められました。ホイールベースは、先代と同一の2,690mmでした。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式で、駆動方式はFFと「インテリジェントAWD」と呼ばれる電子制御式フルタイム4WDが設定されました。
ターボエンジンを設定
パワートレインは先代から一新され、「エコブースト」と呼ばれる1.6L直4ターボ(最高出力180ps/最大トルク25.5kgm)および2L直4ターボ(最高出力243ps/最大トルク37.3kgm)、そして2.5L直4NA(最高出力170ps/最大トルク23.6kgm)の3種類が用意されました。トランスミッションは、「パワーシフト」と呼ばれる6速DCTが組み合わせられました。
また、ブレーキはフロントは先代同様のベンチレーテッド・ディスク式で、リアはドラム式からソリッド・ディスク式にアップグレードされました。その他、走行性能に係る電子デバイスとして、横滑り防止装置のESP(エレクトロニック・スタビリティ・プラグラム)やトラクションコントロールが装備されました。
新たな電子デバイスを用意
さらに、フォード独自の車両安定化システム「ロール・スタビリティ・コントロール」や、コーナリング時のアンダーステアを軽減する「トルク・ベクタリング・コントロール」も設定されました。また、安全装備面では、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付ABSが全車に標準装備されました。
さらに、衝突被害軽減ブレーキの「ブレーキ・サポート」やアダプティブ・クルーズ・コントロール、レーン・キーピング・システムなどの安全運転支援システムが採用された事も特徴でした。グレード体系は、下から2.5Lエンジン搭載の「S」、1.6Lターボエンジン搭載の「SE」、2Lターボエンジン搭載の「タイタニアム」がラインナップされました。
その後、2015年にSEのエンジンが1.5L直4ターボ(最高出力179ps/最大トルク24.5kgm)に置換されました。
先代モデル:2代目エスケープ