フォード・モーター(英国フォード)から1968年にリリースされた小型乗用車「エスコート」は、1986年3月に6年ぶり3度目のフルモデルチェンジを受け、マーク4に移行しました。実質的にはマーク3からのビッグマイナーチェンジ版で、FF方式のドライブトレインやプラットフォーム、サスペンションなどがキャリオーバーされました。
フロントマスクを一新
ボディタイプはマーク3同様、乗用モデルとして3ドア/5ドアハッチバック、3ドア/5ドアエステート(ステーションワゴン)、2ドアカブリオレが、商用モデルとして3ドアバンがラインナップされました。スタイリングは直線基調のスクエアなフォルムが踏襲された一方、フロントマスクはスラントノーズの採用によりイメージが一新されました。また、インテリアはインパネの意匠が変更されました。
ボディサイズは全長4,020mm(ハッチバック)/4,080mm(エステート)×全幅1,640mm×全高1,370mm(ハッチバック)/1,390mm(エステート)で、全長が若干拡大されました。また、ホイールベースは2,400mmで、僅かに延長されました。サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット/コイル式・リア:トレーリングアーム/コイル式による4輪独立懸架が踏襲されました。
多彩なエンジン・ラインナップ
エンジンは、ガソリンは1.1L直4OHV(最高出力50ps/最大トルク8.5kgm)、1.3L直4OHV(最高出力63ps/最大トルク10.3kgm)、1.4L直4SOHC(最高出力75ps/最大トルク11.1kgm)、1.6L直4SOHCキャブレターNA(最高出力90ps/最大トルク13.6kgm)、同電子燃料噴射NA(最高出力106ps/最大トルク14.1kgm)、同電子燃料噴射ターボ(最高出力134ps/最大トルク18.4kgm)が用意されました。
一方ディーゼルは、従来の1.6Lに代わり1.8L直4SOHC(最高出力61ps/最大トルク11.2kgm)が用意されました。トランスミッションは従来同様、4速/5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、マーク3から受け継いだ「ポピュラー」「L」「GL」「ギア」「XR3i」「RSターボ」の他、新たにLとGLの間を埋めるグレード「LX」が設定されました。
これらのグレードの中で、1.6Lターボエンジンを搭載するホットバージョンのRSターボは、最高速度201km/h・0-60mph加速8.3sの性能を持っていました。ブレーキは、フロントはXR3iおよびRSターボにはベンチテーテッド型の、それ以外にはソリッド型のディスクブレーキが採用され、リアは全車にドラム式が装備されました。また、ステアリング形式は従来同様のラック&ピニオン式が踏襲されました。
そして1990年9月にフルモデルチェンジが実施され、マーク5に移行しました。