フォード・モーター(英国フォード)から1968年にリリースされた小型乗用車「エスコート」は、1975年に7年ぶりのフルモデルチェンジが実施され、マーク2に移行しました。設計はマーク1が英国フォード単独により行われたのに対し、ドイツフォードとの合作となりました。プラットフォームやサスペンション、パワートレインなど基本メカニズムはマーク1譲りで、手堅い設計が踏襲されました。
セダンはスタイリングを一新
ボディタイプはマーク1に引き続き、2ドア/4ドアセダンと3ドアステーションワゴン「エステート」がラインナップされました。エクステリア面では、マーク1からフロントマスクやリアまわりの意匠が一新されました。さらにセダンは、それまでのコークボトルラインを捨て直線基調のプレーンなフォルムに変貌しました。一方、エステートはマーク1のボディシェルがキャリオーバーされました。
ボディサイズは全長3,978mm(セダン)/4,140mm(エステート)×全幅1,595mm×全高1,341mmで、マーク1から全幅が若干拡大されました。一方、2,400mmのホイールベースには変更はありませんでした。サスペンション形式は、マーク1同様のコンベンショナルなフロント:マクファーソンストラット式/リア:リジッド・リーフ式が踏襲されました。
エンジン・ラインナップを変更
また、ブレーキもマーク1と同じくフロントがディスク式又はドラム式で、リアは全車ドラム式でした。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンはマーク1からキャリオーバーされた0.9L直4OHV(※イタリア市場専用)/1.1L直4OHV/1.3L直4OHV/2L直4SOHCの他、新たに1.6L直4OHV/同SOHC/1.8L直4DOHCが用意されました。一方、マーク1に設定されていた1.6L直4DOHCは廃止されました。
スペックは、1.1Lが最高出力41.6ps/最大トルク7.1kgm、1.6L OHVが最高出力85ps/最大トルク12.7kgm、同SOHCが最高出力96ps/最大トルク12.7kgm、1.8Lが最高出力117ps/最大トルク16.6kgm、2Lが最高出力112ps/最大トルク16.5kgmでした。トランスミッションはマーク1同様、4速MTと3速トルコン式ATが設定されました。
セダンのグレード体系は、下から「L」「GL」「スポーツ」「ギア」「RSメキシコ」「RS1800」「RS2000」のラインナップでした。これらの中で、最も高い動力性能を持つのは1.8L DOHCの「コスワースBDA」エンジンを搭載するRS1800で、最高速度179km/h・0-60mph加速9sのパフォーマンスを発揮しました。
その後1978年にマイナーチェンジが実施され、大半のグレードに角形2灯式ヘッドランプが与えられました。そして1980年9月にフルモデルチェンジが実施され、マーク3に移行しました。エスコート・マーク2の生産は、マーク1同様に英国や西ドイツの他、オランダやアイルランド、オーストラリア、ニュージーランドなど世界数か国で行われました。