1980年に「ブルーバード」の上位に位置する高級パーソナルカーとして発売された「レパード/レパードTR-X」は、1986年2月にフルモデルチェンジを受けると共にレパードに一本化されました。ブルーバードにV6エンジン搭載の上級グレード「マキシマ」が追加された事を受け、4ドアボディを廃止し2ドアボディオンリーのスペシャリティカーへと路線変更が図られました。
スカイラインとプラットフォームを共有
ボディタイプは、先代の2ドアモデルはセンターピラーレスのハードトップであったのに対し、Bピラーが備わるクーペに変更されました。スタイリングは斬新さが際立っていた先代に対し、コンサバティブな方向にイメージチェンジが図られました。ボディサイズは全長4,680~4,860mm×全幅1,690mm×全高1,370mmで、全幅を除き先代から拡大されました。
又、プラットフォームがR31型「スカイライン」と共有化されると共に、ホイールベースはそれと同一の2,615mmとなり先代からは10mm短縮されました。サスペンション形式は、先代並びにスカイラインと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式が採用された他、減衰力を自動可変させる「電子制御スーパーソニックサスペンション」が設定されました。
2代目レパードのCM(1986)
あぶない刑事 レパード走行シーン
エンジンは全車V6に
グラフィカル・デジタルメーターの作動シーン
駆動方式はFRが踏襲され、エンジンは直4/直6が廃止されて全車V6のVG型に統一されました。当初のラインナップは、2L SOHC NAのVG20E型(最高出力115ps/最大トルク16.6kgm)、同ターボのVG20ET型(最高出力155ps/最大トルク21.3kgm)、3L DOHC NAのVG30DE型(最高出力185ps/最大トルク25kgm)の3種類で、トランスミッションは先代同様5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
その他の装備面では、車速感応油圧反力式電子制御パワーステアリングが採用された他、ABSも設定されました。発売時のグレード体系は、下から2L NAの2.0XJ/2.0XJ-Ⅱ、同ターボの2.0XS/2.0XS-Ⅱ、3Lの3.0アルティマがラインナップされました。そして1987年2月、2.0XJ-Ⅱ/アルティマをベースに装備を充実化した「グランドセレクション」が追加されました。
1988年8月にマイナーチェンジ
次いで1988年8月のマイナーチェンジにより、内外装デザインの変更や装備の充実化が図られると共に、トランスミッションが4速ATに一本化されました。同時に、VG20ET型エンジンがDOHC化されたVG20DET型エンジン(最高出力210ps/最大トルク27kgm)に置換された他、新たに3LターボのVG30DET型エンジン(最高出力255ps/最大トルク35kgm)が追加されました。
特にインテリアには大幅なテコ入れを実施。前期モデルは絶壁と言われていたインパネを大幅に変更。前期モデルの特徴であったグラフィカル・デジタルメーターは廃止、ホワイトのアナログメーターに変更となりました。
シート形状も見直され、中折れ機構付きの「パートナーコンフォートシート」を採用するなど、インテリアに関してはマイナーチェンジの枠を超えフルモデルチェンジのような変更となりました。
新車情報’88 日産 レパード アルティマ
VG30DE型エンジンはアウトプットが最高出力200ps/最大トルク26.5kgmに高められました。又、グレード体系も見直され、下からXJV20E/XSV20ツインカムターボ/アルティマV30ツインカム/アルティマV30ツインカムターボのラインナップとなりました。そして1992年6月にフルモデルチェンジが実施され、3代目「レパードJ.フェリー」に移行しました。
先代モデル:初代レパード
後継モデル:3代目レパード