1971年にデビューしたアルピーヌの2+2シーター・グランツーリスモ「A310」は、1991年に7年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、第3世代の「A610」に移行しました。RRの駆動方式や、鋼管バックボーン・フレームにFRP製ボディを組み合わせた構造などはA310及び第2世代の「GTA(日本名V6ターボ)」譲りながら、性能面では大幅な向上が図られました。
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リトラクタブルヘッドランプを採用
ボディタイプはそれまでと同様、フィクスドヘッドクーペのみが用意されました。エクステリア面では、ボディシェルの多くの部分がGTA/V6ターボから流用された為、基本的なプロポーションは似通ったものとなっていました。一方で、ヘッドランプは従来の固定式からリトラクタブル式に変更された為、フロント廻りのイメージは大きく変わりました。
又、0.3となるCd値は、GTA/V6ターボから0.02ポイント増加していました。ボディサイズは全長4,441mm×全幅1,762mm×全高1,188mmで、全高を除き若干拡大された他、ホイールベースも70mm延長され2,340mmとなりました。又、車両重量はフロアパンの剛性アップなどの影響により、GTA/V6ターボの1,140~1,180kgより大幅に重い1,420kgとなっていました。
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ポルシェ911に匹敵する性能を実現
その一方で、前後重量配分はRR車として理想的な43:57に改善されました。リアに搭載されるエンジンは、プジョー/ルノー/ボルボ3社共同開発によるV6SOHCを踏襲しながら、排気量が3Lまで拡大されると共に電子燃料噴射+ターボチャージャー仕様に一本化されました。アウトプットは最高出力250hp/最大トルク35.7kgmで、従来の2.5L版から50hp/6.6kgmの向上を果たしていました。
トランスミッションは従来同様の5速MTながら、トップのギアレシオが高められていました。動力性能は、最高速度は従来のターボ仕様車よりも17km/h高い266km/hに達し、0-100km/h加速タイムは1.1s短縮され5.9sとなりました。このパフォーマンスは、同じRR方式を採用するライバル「ポルシェ・911カレラRS」に匹敵するものでした。
又、ブレーキはABS付きの4輪ベンチレーテッド・ディスク式を踏襲しつつ、パフォーマンス向上に対応すべくローター径が259mmから300mmに拡大されました。更に装着されるホイール&タイヤも、フロントが6J×15+195/50VR15から7J×16+205/45ZR16へ、リアが8.5J×15+225/45VR15から9J×16+245/45ZR16へと大径化及びワイド化が図られました。
一方ステアリングは、ラック&ピニオン式の形式を踏襲しつつ、新たにパワーアシストが採用されました。そして1995年をもって生産を終了、1955年に「A106」が誕生して以来40年に渡り生産が続けられたアルピーヌブランドのモデルは市場から姿を消し、2017年発売のA110まで途絶えることになりました。
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