ダイハツの軽貨物自動車「ミゼットⅡ」は、1993年と1995年の東京モーターショーに参考出品され、1996年4月に市販が開始されました。軽トラック「ハイゼット」(8代目/S100型)のコンポーネンツを流用し小口配達用に開発されたモデルで、「ミゼット」の車名は1972年に生産終了となった先代のオート3輪モデル以来24年ぶりの復活となりました。
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360cc軽自動車に近いサイズ
ボディはセミキャブオーバー型で、発売当初はフロントパネルにスペアタイヤが備わる1人乗りのピックアップトラック仕様(後に「ピック」と命名)のみの設定でした。そして翌1997年1月に2人乗り仕様と、バンタイプの「カーゴ」が追加されました。初期型のボディサイズは、ピックが全長2,795~2,865mm×全幅1,295mm×全高1,650mm、カーゴがそれぞれ2,830mm×1,335mm×全高1,705mmでした。
これは当時の軽自動車規格よりも一回り小さく、360cc規格時代のディメンションに近いものでした。又、ホイールベースも1,840mmと短く、最小回転半径3.6mという小回り性能を実現していました。最大積載量は150kgで、車両重量はピックが550~630kg、カーゴが650~670kgと非常に軽量でした。サスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット式、リアがリジッド・リーフ式でした。
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エンジンは控えめなスペック
駆動方式は、エンジンをフロントミッドに搭載し後輪を駆動するFR方式が採用されました。発売当初搭載されたエンジンは、660cc直3SOHCキャブレター仕様のEF-CK型で、最高出力31ps/最大トルク5.1kgmというスペックは他のEF系エンジンと比較するとごく控えめなものでした。トランスミッションは、発売当初4速フロア式MTのみの設定だったものの、カーゴ追加と同時に3速コラム式トルコンATが追加されました。
室内は1人乗り前提の設計ながら、ハイゼットのインパネを流用した為ステアリングと運転席が若干右側にオフセットして設けられており、これを逆手に取り運転席左側のスペースにミニマムな助手席を追加した2人乗り仕様が製造されました(AT車のみ)。又、発売当初は左側のサイドウィンドウがはめ殺し式であったものの、これもカーゴ追加を機にウインドレギュレーターによる開閉式となりました。
グレード体系は、ピックがベーシックな「Bタイプ」、充実した装備の「Dタイプ」、更に洒落たエクステリアが備わる「Rタイプ」の3種類で、カーゴは「Dタイプ」と「Rタイプ」の2種類でした。そして1998年10月にグレード体系が変更され、ツートンドアトリムやメッキモール、ナルディ製レザーステアリングホイールが備わる「カスタム」が加わり、「Rタイプ」は廃止されました。
ダイハツ ミゼットⅡのCM
M/Cで衝突安全性が向上
次いで1999年9月に、衝突安全性向上と排出ガス規制適合を目的としたマイナーチェンジが実施されました。フレームやフロントバンパーに衝突安全対策が施された他、スペアタイヤの搭載場所がフロントパネルから荷台(ピック)及び荷室(カーゴ)に移動しました。同時にエンジンが燃料噴射仕様のEF-SE型に変更され、スペックが最高出力33ps/最大トルク5.2kgmに向上しました。
こうした変更に伴い、全長が2,895mm(ピック)/2,935mm(カーゴ)に拡大されると共に、車両重量が30kg増加しました。そして2001年6月に生産を終了し、そのまま絶版モデルとなりました。積載量や居住性の低さなどから販売面では振るわず、5年間での総生産台数は1万4千台程に留まったものの、そのファニーなスタイリングから一部のファンに支持され、カスタマイズも盛んに行われました。
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