アルファロメオは1994年のトリノショーで、「33」の後継モデルとなる小型ハッチバック車「145」を発表しました。プラットフォームが「アルファスッド」譲りで旧式化していた33に対し、1992年にデビューした上級モデル「155」と共通の物に刷新されました。エンジンは、当初33から受け継いだフラット4がメインだったものの、後に155譲りの直4に一新されました。
ボディ拡大に伴い車両重量も増加
ボディタイプは、33の5ドアハッチバック/5ドアステーションワゴンから3ドアハッチバックとなり、5ドアハッチバックは翌年にデビューした姉妹車種「146」が受け持つ事となりました。スタイリングは端正な33から一転し、スポーティさを強調したアグレッシブなものとなりました。ボディサイズは全長4,095mm×全幅1,710mm×全高1,425mmで、33より一回り拡大されました。
ホイールベースは85mm延長され155と同一の2,540mmとなり、車両重量は200kg以上増加し1,140~1,190kg(初期型)となりました。サスペンション形式は、フロントは33と同一のストラット式を踏襲し、リアはワッツリンク+パナールロッド式からセミ・トレーリングアーム式に変更されました。ブレーキは33ではドラム式だったリアブレーキがディスク化され、4輪ディスク式となりました。
駆動方式をFFに一本化
駆動方式はFFのみが設定され、33に設定のあった4WDは廃止されました。発売当初用意されたエンジンは、1.4L SOHC(最高出力90ps/最大トルク11.7kgm)、1.6L SOHC(最高出力104ps/最大トルク13.7kgm)、1.7L DOHC16バルブ(最高出力131ps/最大トルク15.2kgm)の3種のフラット4ガソリンと、1.9L直4SOHCディーゼル・ターボ(最高出力90ps/最大トルク19kgm)の全4種類でした。
トランスミッションは、全車5速MTとの組み合わせでした。そして1996年に、エンジンが1.4L/1.6L/1.8L/2Lの直4DOHC「ツイン・スパーク」仕様に置き換えられました。更に1998年には、1.4Lを除く各ユニットが156用に開発された可変吸気マニホールド採用の改良型に置換され、スペックが向上しました。
この時点での各エンジンの最高出力・最大トルクは、1.4Lが最高出力103ps/最大トルク12.6kgm、1.6Lが最高出力120ps/最大トルク14.7kgm、1.8Lが最高出力144ps/最大トルク17.2kgm、2Lが最高出力155ps/最大トルク19.1kgmでした。そして翌1999年のマイナーチェンジで、フェイスリフトや内装の変更と共に、SRSサイドエアバッグシステムが追加されました。
そして2000年に後継モデルの「147」がデビューした事に伴い、翌2001年に生産終了となりました。日本への導入は1996年9月からで、ラインナップは2L直4エンジン搭載のトップグレード「クアドリフォリオ」のみでした。そして2001年1月に、MOMO製アロイホイールやディスチャージヘッドランプなどが装備される日本向けの最終限定車「クアドリフォリオ セリエ・スペチアーレ」が発売されました。