アルファロメオは1995年に、1994年に生産を終了した「33」の後継モデルであると同時に、一足先にデビューした3ドアハッチバック車「145」の5ドアハッチバック版となる「146」を発売しました。145と同一のプラットフォームは上級モデル「155」とも共通で、エンジンは145と同様発売当初はフラット4がメインだったものの、後に155譲りの直4に一新されました。
145からボディを延長
ボディ前半部分のデザインは145と共通で、後半部分は33のハッチバックモデル同様ノッチの付いた3ボックス風フォルムが採用されました。ボディサイズは全長4,257mm×全幅1,712mm×全高1,425mmで、全長が145から160mm程延長されました。ホイールベースは同一の2,540mmで、車両重量は35kg増加し1,175~1,225kg(初期型)となりました。
サスペンション形式は145と同様のフロント:ストラット式/リア:セミ・トレーリングアーム式を踏襲する他、4輪ディスク式のブレーキも引き継がれました。駆動方式は145同様FFのみの設定で、33に設定のあった4WDは最後まで追加される事はありませんでした。発売当初用意されたエンジンは、フラット4ガソリンNAが3種類と直4ディーゼル・ターボが1種類でした。
詳細は、ガソリンが1.4L SOHC(最高出力90ps/最大トルク11.7kgm)、1.6L SOHC(最高出力104ps/最大トルク13.7kgm)、1.7L DOHC16バルブ(最高出力131ps/最大トルク15.2kgm)で、ディーゼルが1.9L SOHC(最高出力90ps/最大トルク19kgm)でした。トランスミッションは145同様、全車5速MTとの組み合わせでした。そして1996年に、145と共にエンジンが1.4L/1.6L/1.8L/2Lの直4DOHC「ツイン・スパーク」に置換されました。
更に1998年には、これも145と共に1.6L/1.8L/2Lユニットが156用に開発された可変吸気マニホールド採用の改良型に置換され、スペックが向上しました。この時点での各エンジンの最高出力・最大トルクは、1.4Lが最高出力103ps/最大トルク12.6kgm、1.6Lが最高出力120ps/最大トルク14.7kgm、1.8Lが最高出力144ps/最大トルク17.2kgm、2Lが最高出力155ps/最大トルク19.1kgmでした。
日本への導入は並行輸入車のみ
そして翌1999年のマイナーチェンジで、エクステリア面では前後バンパーやフロントグリル、フォグランプ、リア・リフレクターの意匠が変更された他、インテリア面ではフロントシートのデザイン変更やSRSサイドエアバッグシステムの追加などが行われました。そして2000年に後継モデルの「147」にバトンを渡し、145より一足早く生産終了となりました。
日本市場においては、145と異なり正規輸入元のフィアット&アルファロメオ・モータース・ジャパンでの取り扱いはなく、少数が並行輸入されるに留まりました。