ルノーは1995年9月のフランクフルト・ショーにおいて、1988年にリリースした「19」に代わる小型乗用車「メガーヌ」(メガーヌⅠ)を発表しました。世界戦略車として開発され、プラットフォームやパワートレインなど基本コンポーネンツが19から受け継がれた一方、フレッシュな内外装デザインの採用と共に多彩なボディ・バリエーションが用意された事が特徴でした。
曲線基調のボディラインを採用
ボディタイプは、まず5ドアハッチバックと2ドアクーペがリリースされました。そのスタイリングは、直線基調の19から一転して丸みを帯びたボディラインに変貌、特にクーペは流麗なフォルムと共にCd値0.33の優れた空力特性を実現していました。ハッチバックのボディサイズは全長4,129mm×全幅1,699mm×全高1,420mmで、19より若干短く背の高いディメンションでした。
ホイールベースは2,580mmで、19から40mm延長されました。一方クーペは、それぞれ3,967mm×1,698mm×1,366mmと一回り小振りで、ホイールベースも100mm以上短い2,468mmに設定されました。サスペンション形式は、フロントは19同様のマクファーソンストラット式を踏襲する一方、リアはトレーリングアーム式からトーションビーム式に変更されました。
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは1.4L SOHC(最高出力75hp/最大トルク11.6kgm)、1.6L SOHC(最高出力90hp/最大トルク13.6kgm)、2L SOHC(最高出力115hp/最大トルク17.1kgm)及びDOHC(最高出力150hp/最大トルク18.9kgm)の直4ガソリンと、1.9L直4SOHCディーゼルターボ(最高出力97hp/最大トルク20.4kgm)が用意されました。トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
セダンやカブリオレ、ワゴンなどを追加
一方インテリアは、インパネに水平基調の19とは対照的な楕円をモチーフとしたデザインが採用されました。その後1996年のパリ・サロンにおいて、全長を4,436mmに延長した4ドアセダン「クラシック」と、電動ソフトトップが備わるカブリオレが追加されました。同時に、モノフォルムのボディを持つMPV型派生モデル「メガーヌ・セニック」が登場しました。
更に1998年には、5ドアステーションワゴンの「ブレーク」が追加されました。次いで翌1999年にフェイスリフトが実施され、フロントグリルの意匠変更や衝突安全性の強化を図ったフェイズ2に移行しました。同時に、1.4L(最高出力94hp/最大トルク13kgm)、1.6L(最高出力107hp/最大トルク15.1kgm)、2L直噴(最高出力138hp/最大トルク20.4kgm)のガソリンDOHCエンジンが追加されました。そして2002年9月にフルモデルチェンジが実施され、2代目「メガーヌⅡ」に移行しました。
日本市場には1996年9月に投入
日本市場に導入されたメガーヌⅠは全てガソリンエンジン搭載の右ハンドル仕様車で、1996年9月にまず2L SOHCエンジン+4速AT搭載の「ハッチバック2.0」及び「クーペ2.0」と、2L DOHCエンジン+5速MT搭載の「クーペ16V」が上陸を果たしました。
次いで1999年9月にフェイスリフト版に切り替えられると共に、ラインナップが1.6L DOHCエンジン+4速AT搭載の「ハッチバックRXT」と同エンジン+5速MT搭載の「ハッチバックRXi」の2タイプとなり、クーペはカタログ落ちました。追って翌10月、ハッチバックRXTと同じパワートレインを搭載するカブリオレが追加されました。