1995年に「19」の後継モデルとして誕生したルノーの小型乗用車「メガーヌ」は、2008年10月に6年ぶりの2度目フルモデルチェンジを受け、3代目「メガーヌⅢ」に移行しました。先代からプラットフォームがキャリオーバーされた一方、ボディは一回り拡大されると共にスタイリングが一新されました。
まずはハッチバックとクーペが登場
まず最初に用意されたのは5ドアハッチバックと、3ドアハッチバックに代わって設定された3ドアクーペでした。スタイリングは彫刻的な造形が特徴だった先代から一転し、丸みを帯びた流麗なフォルムに変貌を遂げました。ハッチバックのボディサイズは全長4,295mm×全幅1,808mm×全高1,471mmで、全項目において先代から拡大されました。
又、ホイールベースも若干延長され2,641mmとなりました。一方クーペは、それぞれ4,299mm×1,804mm×1,423mmというディメンションでした。サスペンション形式は、フロントは先代同様のフロント:マクファーソンストラット式を踏襲、リアはトーションビーム式からトレーリングアーム式に変更されました。駆動方式は従来同様、FFのみの設定でした。
エンジンは当初、ガソリンは1.4直4ターボ(最高出力128hp/最大トルク19.4kgm)と2種類の1.6L直4NA(最高出力99hp/最大トルク15.1kgm・最高出力108hp/最大トルク15.4kgm)、そして2L直4NA(最高出力141hp/最大トルク19.9kgm)及びターボ(最高出力180hp/最大トルク30.6kgm)の5種類が用意されました。
一方ディーゼルは、2種類の1.5L直4ターボ(最高出力89hp/最大トルク20.4kgm・最高出力108hp/最大トルク24.5kgm)と、1.9L直4ターボ(最高出力128hp/最大トルク30.6kgm)が用意されました。トランスミッションは先代同様の5速/6速MTの他、ATは従来の4速トルコン式に代わりCVTと6速EDC(DCT)が設定されました。
2009年にワゴンとカブリオレを追加
そして翌2009年、全長を4,559mm、ホイールベースを2,703mmに延長した5ドアステーションワゴン「スポーツツアラー」と、ガソリン2Lターボエンジンのアウトプットを最高出力247hp/最大トルク34.7kgmまで高め、6速MTと組み合わせてクーペボディに搭載する高性能モデル「ルノースポール」が追加されました。
更に2010年には、クーペとほぼ同等のボディ・ディメンションを持つクーペカブリオレ「CC」が追加されました。
次いで2012年のフェイスリフトによりフェイズ2に移行すると同時に、ガソリン1.2L直4ターボエンジン(最高出力114hp/最大トルク19.4kgm)が追加されました。そして2016年のジュネーブショーで、最新型の「メガーヌⅣ」が発表されました。
日本にはカブリオレ以外の各ボディを導入
メガーヌⅢが日本市場に導入されたのは2011年からで、まず2月にルノースポールが上陸し、追って4月にガソリン2L NAエンジン+CVT登載のハッチバック「プレミアムライン」及び「GTライン」が追加されました。次いで2012年7月、ステーションワゴンの「エステート」がラインナップに加わりました。当初のグレードは、ガソリン2L NAエンジン+6速MTの特別仕様車「GT」でした。
追って同年12月にフェイズ2の導入が開始されると共に、ハッチバックはGTラインに一本化され、エステートにはカタロググレードとしてハッチバックと同一仕様のGTラインが設定されました。追って2013年1月には、ルノースポールもフェイズ2に切り替えられました。次いで同年5月、エステートに2Lターボエンジン+6速MT搭載の「GT220」が追加されました。
続いて2014年6月、ハッチバックにもGT220が追加され、追って10月にはGTラインのパワートレインが1.2Lターボエンジン+6速EDCに置換されました。次いで翌2015年5月、1.2LターボエンジンにCVTを組み合わせて搭載する廉価グレード「ゼン」が追加されました。そして2016年9月現在、メガーヌⅣは日本には導入されておらず、メガーヌⅢの販売が継続されています。
尚、ルノースポールは発売後2度に渡りアウトプット向上が図られており、2015年1月に限定車としてリリースされた「トロフィー」では最高出力271hp/最大トルク36.7kgmのスペックとなっています。