1993年に「21」に代わるルノーのミディアムモデルとして登場した「ラグナ」は、2007年に7年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、3代目「ラグナⅢ」に移行しました。専用のプラットフォームが用いられた先代と異なり、「日産・ティアナ」や「ルノーサムスン・SM5」と共通のDプラットフォームが採用された事が特徴でした。
クーペを新設定
ボディタイプは、3ボックス型5ドアハッチバックと「スポーツツアラー」又は「グランドツアラー」と呼ばれる5ドアステーションワゴンに加え、新たに2ドアクーペが設定されました。スタイリングは先代のイメージを踏襲しながらも、フロントマスクに同社最新の意匠が取り入れられました。同時に、Cd値0.29~0.32の優れた空力特性を実現しました。
ハッチバック/ワゴンのボディサイズは全長4,695mm(ハッチバック)/4,803mm(ワゴン)×全幅1,811mm×全高1,445mmで、先代から一回り拡大され、ホイールベースも僅かに延長され2,756mmとなりました。一方クーペは、それぞれ4,643mm×1,812mm×1,398mmという背の低いディメンションが特徴で、ホイールベースはハッチバック/ワゴンより短い2,694mmに設定されました。
トランスミッションを多段化
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは当初、1.6L直4NA(最高出力110hp/最大トルク15.4kgm)、2L直4NA(最高出力138hp/最大トルク19.9kgm)、同ターボ(最高出力168hp/最大トルク27.5kgm)、3.5L V6NA(最高出力235hp/最大トルク33.7kgm)のガソリンと、1.5L直4(最高出力108hp/最大トルク24.5kgm)及びチューニングの異なる3種類の2L直4(最高出力138hp/148hp/173hp)のディーゼルターボが用意されました。
組み合わせられるトランスミッションは6速MT又は6速トルコン式ATで、MT/AT共に先代から多段化されました。又、サスペンション形式は、先代同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式が踏襲されました。そして翌2008年、3L V6ディーゼルターボエンジン(最高出力232hp/最大トルク45.9kgm)が追加されました。
更に、ガソリン2Lターボに最高出力202hp/最大トルク30.6kgmの、ディーゼル2Lに最高出力178hp/最大トルク40.8kgmの高出力版が設定されました。次いで2010年にフェイスリフトが実施され、フロントマスクを刷新したフェイズ2に移行しました。そして2015年、ラグナⅢとフラッグシップモデル「ラティテュード」を統合した後継モデル「タリスマン」がデビューしました。
それによりラグナⅢは生産を終了、初代モデル以来22年の歴史に幕を下ろしました。尚、ラグナⅢは日本市場への正規輸入は行われませんでした。