ルノーは1993年12月、1986年にリリースした「21」の後を継ぐミディアムモデル「ラグナ」(ラグナⅠ)を発売しました。4ドアセダンが廃止された他、スタイリング及びインパネの意匠がそれまでの直線基調から曲線基調となり、イメージが一新されました。又、エンジン・レイアウトは横置きと縦置きが混在した21に対し、全車横置きに一本化されました。
優れた空力特性を実現
ボディタイプは当初、3ボックス型6ライトウィンドウの5ドアハッチバックのみの設定で、低いノーズと流麗なルーフラインを持つボディは、Cd値0.3の優れた空力特性を備えていました。ボディサイズは21から若干拡大され、全長4,508mm×全幅1,752mm×全高1,433mmとなると共に、ホイールベースも幾分延長され2,670mmとなりました。
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは当初、チューニングの異なる2種類の1.8L直4SOHC(最高出力89hp/最大トルク14.7kgm・最高出力94hp/最大トルク14.8kgm)と2L直4SOHC(最高出力112hp/最大トルク17.1kgm)、そして3L V6SOHC(最高出力165hp/最大トルク24kgm)のガソリンNAと、2.2L直4SOHCディーゼルNA(最高出力82hp/最大トルク14.5kgm)が用意されました。
トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式を踏襲する一方、リアのスプリングがトーションバーからコイルに変更されました。その後1995年に、ボルボ製のガソリン1.9L直4DOHC NAエンジン(最高出力138hp/最大トルク18.6kgm)が追加されました。
ワゴンを追加
更にこの年の秋、新たなボディタイプとして5ドアステーションワゴンの「ネバダ」がラインナップに加わりました。次いで1997年、ガソリン3L V6SOHCに代わり、僅かに排気量の小さい2.9L V6DOHC(最高出力187hp/最大トルク27.2kgm)が設定されました。続いて1998年、フェイスリフトが実施されると共に、エンジン・ラインナップが一部変更されました。
ガソリンは1.8L SOHCに代わり1.6L直4DOHC(最高出力106hp/最大トルク15.1kgm)と1.8L直4DOHC(最高出力118hp/最大トルク16.8kgm)が、ディーゼルは2.2L NAに代わり1.9L直4SOHC直噴ターボ(最高出力97hp/最大トルク20.4kgm)と2.2L直4SOHCターボ(最高出力111hp/最大トルク25.5kgm)が設定されました。
更に翌1999年、ガソリン1.9Lに代わり2L直4DOHC(最高出力137hp/最大トルク19.2kgm)が、2000年にはディーゼル2.2Lターボに代わり1.9L直4SOHC直噴ターボ(最高出力106hp/最大トルク25.5kgm)が設定されました。そして2000年にフルモデルチェンジが実施され、2代目「ラグナⅡ」に移行しました。
日本向けはガソリンAT車のみ
日本市場に導入されたラグナは全てガソリンエンジン+AT搭載のハッチバックで、まず1994年10月に2L直4SOHCエンジン搭載の「RXE2.0」と3L V6エンジン搭載の「V6」が上陸しました。次いで1995年11月、2L車のグレードが「RT」「バカラ2.0」の2タイプに変更され、1997年9月にはV6がカタログ落ちし、2Lエンジン搭載の「ラグナ」に一本化されました。
次いで1998年11月、同じエンジンを搭載する廉価グレード「RTE」に入れ替えられました。その後、フェイスリフト版やDOHCエンジン搭載モデルの導入はないまま、在庫分が完売した2001年を持って販売終了となりました。