フォード・モーター(英国フォード)から1968年にリリースされた小型乗用車「エスコート」は、1995年1月に5年ぶり5度目のフルモデルチェンジを受け、マーク6に移行しました。実質的にはマーク5のビッグマイナーチェンジ版で、プラットフォームやドライブトレイン、サスペンションなどの基本メカニズムがキャリオーバーされました。
内外装デザインを変更
ボディタイプは、マーク5同様に3ドア/5ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアエステート(ステーションワゴン)、2ドアカブリオレ、および商用モデルの3ドアバンがラインナップされました。エクステリアは、ボディシェルがマーク5から受け継がれた一方で、フロントグリルやヘッドランプ、ボンネットフード、前後バンパーなどの意匠が変更されました。同時に、インテリアの意匠も変更されました。
ボディサイズは全長4,136mm(ハッチバック)/4,293mm(セダン)/4,300mm(エステート)×全幅1,691mm×全高1,398mmで、マーク5から全長が若干拡大されました。ホイールベースは同一の2,525mmで、サスペンション形式もフロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式が踏襲されされました。駆動方式は従来同様のFFが踏襲されました。
エンジンは当初、ガソリンは1.3L直4OHV(最高出力60ps/最大トルク10.3kgm)、1.4L直4SOHC(最高出力75ps/最大トルク10.8kgm)、1.6L直4DOHC(最高出力90ps/最大トルク13.7kgm)、2L直4DOHC(最高出力150ps/最大トルク19.4kgm)の電子燃料噴射仕様4種類が用意されました。トップグレードは、2Lエンジンを搭載するホットモデル「RS2000」でした。
ターボディーゼルを設定
一方ディーゼルは、1.8L直4SOHCが用意されました。そのラインナップは、従来同様のNA仕様(最高出力60ps/最大トルク11.2kgm)に加え、新たにキャブレターターボ仕様(最高出力69ps/最大トルク13.8kgm)と電子燃料噴射ターボ仕様(最高出力90ps/最大トルク18.4kgm)が設定されました。トランスミッションは4速MTとCVTが廃止され、5速MTまたは3速トルコン式ATの組み合わせとなりました。
そして翌1996年、RS2000がカタログ落ちし、代わってRS2000譲りの内外装が備わるボディに、マーク5時代に設定されていたガソリン1.8L直4DOHCエンジン(最高出力116ps/最大トルク16.3kgm)を搭載する「GTi」が設定されました。その後1998年に後継モデルの「フォーカス」がリリースされたものの、エスコートもラインナップを縮小した上で販売が続けられました。
エンジンは1.6Lガソリンと1.8L電子燃料噴射ターボディーゼルの2種類のみが残され、グレード体系も大幅に整理されました。そして2000年をもって乗用モデルの生産が終了となり、残るバンも2002年に姿を消しました。