フォード・モーターのリンカーン・ブランドから2005年にリリースされたアッパーミドル・セダン「MKZ」(※当初の車名はゼファー)は、2012年に7年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、2代目モデルに移行しました。先代からボディサイズが拡大された他、エンジン・ラインナップが一新され、時代のニーズに合致したダウンサイジングターボも用意されました。
プラットフォームを刷新
プラットフォームは、先代の「フォードCD3プラットフォーム」から新世代の「フォードCD4プラットフォーム」に変更されました。ボディタイプは先代同様、4ドアセダンのみの設定でした。一方スタイリングは、先代のコンサバティブなイメージを一新、流麗かつモダンなフォルムが採用されました。ボディサイズは全長4,930mm×全幅1,864mm×全高1,478mmで、先代から全項目が拡大されました。
また、ホイールベースも120mm程延長され2,850mmとなりました。駆動方式は先代同様、FFとフルタイム4WDが設定されました。エンジンは当初、2L直4DOHCターボ「エコブースト」(最高出力243ps/最大トルク37.3kgm)と、3.7L V6DOHC NA「デュラテックV6」(最高出力304ps/最大トルク37.3kgm)のガソリン2種類と、2L直4ガソリンエンジン+電気モーターのハイブリッドが用意されました。
トランスミッションは、ガソリン車には従来同様の6速トルコン式ATが、ハイブリッド車にはCVTが組み合わせられました。ブレーキは先代同様、フロントがベンチテーテッド型の4輪ディスク式が採用され、タイヤは先代よりもワイドかつ大径の245/45R18サイズが装着されました。装備面では、量販車最大の面積を持つ「リトラクタブルパノラミックルーフ」の採用が最大のトピックでした。
ビッグM/Cで安全装備を強化
その後2015年に仕様変更が実施され、オートライトやリアビューカメラ、リアパーキングセンサーが標準装備されました。次いで2015年11月に開催されたロサンゼルス・オートショーで、ビッグマイナーチェンジが施された2017年モデルが発表されました。エクステリア面ではフロントグリルやヘッドランプの意匠が一新され、インテリア面では操作系が変更されました。
同時に、3L V6ツインターボエンジン[最高出力400ps(4WD車用)/350ps(FF車用)・最大トルク55.3kgm]が追加されました。さらに、オプションでトルク・ベクタリング・リア・ディファレンシャルを含む「ドライバーズパッケージ」が設定されました。また、安全装備も大幅に強化され、新たに衝突被害軽減ブレーキの「プリコリジョンアシスト」やアダプティブクルーズコントロールが装備されました。