アウディAGは2010年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーにおいて、Dセグメントの2ドアクーペ「A5」をベースとしたRSモデル、「RS5」を発表しました。すでに高性能版としてラインナップされていた「S5」をさらに上回る性能を狙ったモデルで、追って2ドアコンバーチブル版もリリースされました。
新世代のクワトロ・システムを採用
エクステリア・デザインは、専用のシングルフレームグリルや大型エアインテーク付きのフロントバンパー、ワイドフェンダー、電動リトラクタブル・リアスポイラー、専用リアディフューザー&デュアルエクゾーストシステムの採用などにより、ベースモデルとの差別化が図られていました。
ボディ・ディメンションは全長4,649mm×全幅1,860mm×全高1,366mm、ホイールベース2,751mmで、A5/S5に対し全幅が拡大されていました。駆動方式は、A5/S5にも採用されるフルタイム4WD「クワトロ・システム」ながらも、それらとは異なりセルフロッキング機構付きクラウンギア式センターデフが備わる新世代のものが採用されました。
S5から大幅にパワーアップ
また、リアにはS5同様にスポーツディファレンシャルが組み込まれました。エンジンは、S5にも搭載される4.2L V8DOHC直噴NAをベースに専用チューニングを施したものが採用されました。スペックは最高出力450ps/8,250rpm・最大トルク43.9kgm/4,000-6,000rpmで、S5から96psもの出力向上を実現していました。
トランスミッションは、7速DCT「Sトロニック」が組み合わせられました。パフォーマンス面では、最高速度こそリミッターの作動により250km/hに留まるものの、0-100km/h加速は4.6sという俊足を誇りました。サスペンションは形式は、A5/S5と共通のフロント:5リンク式/リア:トラペゾイダル式が踏襲されました。
M/Cで内外装を変更
ブレーキは前後ともベンチレーテッド・ディスク式で、タイヤはワイドかつ大径の265/35R19サイズが装着されました。また、コーナーリング性能を高める機構として、「エレクトロニック・トルク・ベクタリング」が搭載されました。その後2012年にマイナーチェンジが実施され、エクステリア面ではフロントまわりやリアまわりの意匠が変更されました。
また、インテリア面ではスイッチ類のレイアウト変更とともに、フラットボトムタイプのステアリングホイールが採用されました。さらにこの年に、電動ソフトトップ仕様の「RS5カブリオレ」が発表されました。日本市場においては、2010年9月にクーペが初上陸、2012年8月にマイナーチェンジ版に切り替えられました。さらに翌2013年10月にカブリオレが追加されました。