BMWは2007年、小型ハッチバックモデル「1シリーズ」(E87/81型)をベースとした2ドアクーペ「1シリーズクーペ」を発売、追って翌2008年にはそのソフトトップカブリオレ版となる「1シリーズカブリオレ」をリリースしました。いずれも、プラットフォームなど基本コンポーネンツの多くはハッチバック譲りであった一方で、よりハイパフォーマンスなモデルが用意されたことが特徴でした。
クーペは3種類のエンジンでスタート
クーペのエクステリアは、往年の小型2ドアセダン「2002」からインスピレーションを得てデザインされたもので、フロントまわりの意匠こそハッチバックと共通ながら、それよりもスタイリッシュな雰囲気にまとめられていました。一方カブリオレは、ベルトラインから下はクーペと共通のデザインを備えていました。
ボディ・サイズは全長4,360mm×全幅1,748mm×全高1,423mm(クーペ)/1,411mm(カブリオレ)で、ハッチバックに対し全長が30mmほど延長されていました。ホイールベースは共通の2,660mmで、サスペンション形式もフロント:ストラット式/リア:5リンク式が踏襲されました。駆動方式はハッチバック同様、FRのみの設定でした。
クーペに当初用意されたエンジンおよびグレードは、3L直6ガソリンツインターボエンジン(最高出力306ps/最大トルク40.8kgm)搭載の「135iクーペ」、2L直6ディーゼルターボエンジン(最高出力177ps/最大トルク35.7kgm)搭載の「120dクーペ」、同ツインターボエンジン(最高出力226ps/最大トルク40.8kgm)搭載の「123dクーペ」の3タイプでした。
カブリオレはまず5種類のエンジンを用意
一方カブリレオは、2L直4ガソリンNAエンジン(最高出力143ps/最大トルク19.4kgm)搭載の「118iカブリオレ」、同高出力版エンジン(最高出力170ps/最大トルク21.4kgm)搭載の「120iカブリオレ」、3L直6ガソリンNAエンジン(最高出力218ps/最大トルク27.5kgm)搭載の「125iカブリオレ」、同ツインターボエンジン搭載の「135iカブリオレ」、2L直4ディーゼルターボエンジン搭載の「120dカブリオレ」の5タイプが用意されました。
トランスミッションは、6速MTと6速トルコン式ATが設定されました。その後、2009年にクーペには「120iクーペ」と「125iクーペ」、および2L直4ディーゼル・ロープレッシャーターボエンジン(最高出力143ps/最大トルク30.6kgm)搭載の「118dクーペ」が、カブリオレには「118dカブリオレ」と「123dカブリオレ」が追加されました。
高性能なMモデルを追加
次いで2010年、クーペのホットバージョンとして、全幅を1,803mmにワイド化したボディに3L直6ガソリンターボエンジンのアウトプットを最高出力340ps/最大トルク45.9kgmまで高めて搭載する「1シリーズMクーペ」が追加されました。追って翌2011年にはクーペ/カブリオレともにフェイスリフトが実施され、エクステリアが一部変更されました。
また、同年ハッチバックがフルモデルチェンジを受け現行F20型に移行したものの、クーペ/カブリオレはそのまま生産が継続されました。そして2013年をもって両モデルともに生産を終了、後継モデルとして翌2014年に「2シリーズクーペ」が、2015年に「2シリーズカブリオレ」がリリースされました。
日本市場における展開は、まず2008年2月に「135iクーペ」(MTおよびAT)が上陸を果たし、翌3月に「120iカブリオレ」(ATのみ)が導入されました。次いで2011年6月にフェイスリフト版に切り替えられるとともに、「120iクーペ」(ATのみ)が追加されました。