BMWは1993年、小型乗用車「3シリーズ(E36型)」の新たなバリエーションとして、3ドアハッチバック型ボディを持つ「3シリーズコンパクト」を追加しました。3シリーズセダンが先代E30型から大型化すると同時に価格も上昇したため、より小型で安価なモデルをラインナップする必要性が生じて開発されたモデルでした。
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セダンから全長を短縮
エクステリア・デザインは、Aピラーより前の部分はセダンと共通のイメージでまとめられていた半面、ボディ後半部分は大幅にリデザインが施されました。また、ハッチバックモデルながら2ボックス型ではなく、ごく短いリアノッチが備わる3ボックス型のフォルムとなっていました。ボディ・サイズは全長4,210mm×全幅1,700mm×全高1,393mmで、セダンから全長が223mm短縮されていました。
一方で、2,700mmのホイールベースに変更は加えられなかったため、リアオーバーハングが極端に切り詰められたプロポーションとなっていました。サスペンション形式は、フロントはセダンと共通のストラット式であったものの、リアはセントラルリンク式ではなく、先代E30型譲りのセミトレーリングアーム式が採用されました。
駆動方式はFRが踏襲され、エンジンは当初ガソリン1.6L直4DOHC(最高出力102ps/最大トルク15.3kgm)のみの設定でした。トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。また、ステアリング形式はパワーアシスト付ラック&ピニオン式で、ブレーキはフロントにディスク式、リアにドラム式が採用されました。
ラインナップを拡充
室内はセダン同様5人乗りで、居住性に遜色はありませんでした。基本グレード名は「316i」で、安全装備面ではSRSデュアルエアバッグシステムやABSなどが標準装備されました。その後1995年に、2.5L直6DOHCガソリンエンジン(最高出力170ps/最大トルク25kgm)を搭載する「323i」と、1.7直4ディーゼルターボエンジン(最高出力90ps/最大トルク19.4kgm)を搭載する「318tds」が追加されました。
さらに1996年には、1.9L直4DOHCガソリンエンジン(最高出力140ps/最大トルク18.4kgm)を搭載する「318ti」が追加されました。そしてセダンから遅れること2年後の2000年にフルモデルチェンジが実施され、E46型に移行しました。E36型3シリーズコンパクトの日本市場初上陸は1995年2月で、グレードは当初「318tiコンパクト」と「318tiコンパクトプラス」の2種類が用意されました。
いずれも右ハンドル仕様で、トランスミッションは4速ATのみの設定でした。装備面では、後者には15インチアルミホイールやサンルーフなどが備わっていました。その後、1997年1月にエクステリアを一部変更したマイナーチェンジ版に切り替えられるとともに、グレードがフロントスポイラーなどが備わる「318ti Mスポーツ」と本革シートなどが備わる「318ti Lセレクション」の2タイプに変更されました。
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