かつてイギリスに存在していた自働車メーカー、ローバーは、1990年4月に新型小型乗用車「400」を発売しました。当時業務提携を結んでいた本田技研工業との共同開発により誕生したモデルで、プラットフォームは初代「ホンダ・コンチェルト」と共通でした。また、前年にローバーよりリリースされた「200」とは基本設計を共有する姉妹車種の関係にありました。
エンジンはローバー製やホンダ製などを用意
ボディタイプは当初は4ドアセダンのみの設定で、スタイリングは直線基調のプレーンなフォルムこそコンチェルト譲りながら、フロントまわりやリアまわりなどに独自のデザインが採用されていました。本国仕様のボディサイズは全長4,365mm×全幅1,680mm×全高1,400mmで、全長・全幅はコンチェルトよりも幾分コンパクトでした。
ホイールベースは同一の2,550mmで、サスペンション形式はヨーロッパ向けコンチェルトと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:ダブルウィッシュボーン式が採用されました。駆動方式はコンチェルト同様FFで、エンジンはローバー製の1.4Lおよび2L直4DOHCガソリン、ホンダ製の1.6L直4SOHCおよびDOHCガソリン、PSA製の1.8L直4ディーゼルターボおよび1.9L直4ディーゼルNAが用意されました。
ステーションワゴンを追加
トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。ステアリング形式はラック&ピニオン式で、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。その後1993年に、5ドアステーションワゴンの「トゥアラー」が追加されました。追って翌1994年にはマイナーチェンジが実施され、2分割式のフロントグリルが採用されました。
そして1995年にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。日本市場においては、1993年1月に初上陸を果たしました。まず導入されたモデルはセダン「416SLi」で、パワートレインはホンダ製1.6L直4DOHCエンジン(最高出力120ps/6,800rpm・最大トルク14.2kgm/5,700rpm)と4速トルコン式ATの組み合わせが搭載されていました。
ボディの仕様は本国仕様とは若干異なっており、フェンダーモールの装着により全幅が1,710mmの3ナンバーサイズとなっていました。装備面ではABSが標準で備わっていたほか、14インチアルミホイールやリアフォグランプ、サンルーフ、レザーシートなどが標準装備されました。その後1994年10月に、マイナーチェンジ版の導入が開始されました。
グレードやパワートレインに変更はなかったものの、装備面では運転席SRSエアバッグシステムが標準化されたほか、ホイールが15インチに拡大されるなどのアップグレードが施されていました。次いで1995年1月に、セダンと共通の仕様を持つステーションワゴン「416トゥアラー」が追加されました。