トヨタのBセグメント・コンパクトカー「ヴィッツ」は、2005年2月に、登場から6年目にして初のフルモデルチェンジを実施しました。キープコンセプトにより外観は先代のイメージを踏襲しつつ、プラットフォームを一新すると共にボディを拡大・強化し、居住性や衝突安全性を高めた事が特徴でした。
ボディを一回り拡大
スタイリングは、先代からウェッジシェイプのシルエットを継承しつつ、フロントウィンドウの傾斜が強くなりモノフォルム風に変化した他、新たにボディ側面やボンネットフードにプレスラインが入れられるなどの加飾が施されました。ボディサイズは、全長3,750mm~3,800mm×全幅1,695mm×全高1,520mm~1,540mmと先代より一回り大きくなり、ホイールベースも90mm延長され2,460mmとなりました。
又、輸出仕様は先代同様3ドアと5ドアが用意されたものの、国内では3ドアの需要が減少した為、このモデルから5ドアのみの設定となりました。車両重量は、ボディ拡大と強度アップに伴い先代よりも100kg以上重くなり、980kg~1,110kgとなりました。サスペンション形式は、フロントのストラット式は先代と共通で、リアはFF/4WD共に先代のFF車と同様のトーションビーム式に統一されました。
1Lエンジンを刷新し、CVT搭載グレードを拡大
エンジンは、1Lと2種類の1.3L、そして1.5Lが用意される点は先代と同様ながら、1Lエンジンがダイハツの開発による直3DOHCの1KR-FE型(最高出力71ps/最大トルク9.6kgm)に置き換えられました。それ以外は先代と変更なく、1.3L FFが2SZ-FE型(最高出力87ps/最大トルク11.8kgm)、1.3L 4WDが2NZ-FE型(最高出力87ps/最大トルク12.2kgm)、1.5Lは1NZ-FE型(110ps/14.4kgm)が搭載されました。
トランスミッションは、1Lと1.3LのFFはCVTに一本化され、4速トルコン式ATは1.3Lの4WDのみの設定となりました。又、MTモデルの市場ニーズ減少に伴い、5速MTが用意されるのは1.5Lのスポーティグレード「RS」のみとなりました。インテリア面では、先代から特徴的なセンターメーター方式を受け継いだ他、室内空間と荷室スペースが拡大されました。
同年4月には、1Lモデルにアイドリングストップ機構を備えるグレード「インテリジェントパッケージ」が追加され、通常モデルを2.5km/L上回る24.5km/Lの燃費を実現しました。次いで同年12月には一部改良を実施し、若干の仕様変更を行った他、新たにヨーロッパ仕様と同様のエクステリアを備えるグレード「アイル」が追加されました。
2007年8月に初のマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトやグレード体系の見直しなどと共に、カーテンシールドエアバッグとサイドエアバッグを全グレードに標準装備しました。2008年9月には、RSのみがマイナーチェンジを受け、フェイスリフトにより外観を刷新した他、それ以外のグレードはホイールのデザイン変更などが行われました。
2代目ヴィッツは、初代モデルとはデザイナーが異なるものの、グッドデザイン賞を受賞するなどスタイリング面では高い評価を得ました。又、販売面でも初代モデルに引き続いてベストセラーとなり、Bセグメント車の代表格として不同のポジショニングを獲得しました。