メルセデス・ベンツのコンパクトカー「Bクラス」は、「Aクラス」の兄貴分として初代モデルが2005年にデビューしました。そして2011年に欧州で発表された2代目モデルが、2012年4月から日本でも販売が開始されました。先代からプラットフォームやパワートレインを刷新し、総合性能の改善が図られると共に、セミトールワゴンスタイルから一般的なハッチバック車に近いプロポーションに変貌しました。
低床プラットフォームにダウンサイジングターボの組み合わせ
ボディは先代同様5ドアハッチバックで、スタイリングは先代よりもシャープな造形に変貌すると共に、Cd値0.26の空力特性を実現しました。日本仕様のボディサイズは全長4,365mm×全幅1,785mm×全高1,540mmで、先代から全長が95mm延長され全高は55~65mm低くなっています。本国仕様の全高は1,557mmで、日本仕様は立体駐車場への入庫を考慮しスポーツサスペンション装備によりローダウンが図られています。
又、全高は下げられたものの、独特なサンドイッチ構造のフロアを捨て低床化が図られた為、室内高は高くなっています。ホイールベースは先代から80mm短縮された2,700mmで、車両重量は大幅に増加し1,450~1,600kgとなっています。サスペンションは新設計された前:マクファーソンストラット式/後:マルチリンク式で、駆動方式は最後までFFのみであった先代に対し、後にフルタイム4WDが追加されています。
欧州仕様にはガソリン/ディーゼル全4種類のエンジンが用意される中から、日本仕様のエンジン及びグレードは、まず新開発の1.6L 直4DOHCターボ(最高出力122ps/最大トルク20.4kgm)搭載の「B180」が導入されました。トランスミッションは7速DCTで、駆動方式はFFとなっています。1.7L/2L直4SOHC NAエンジン+CVTの先代に対し、アイドリングストップ機構の採用と相まって燃費が20~30%程改善されています。
安全装備も充実
安全装備面では、レーダー型衝突警告システム「CPA」やドライバーの疲労を検知して警告する「アテンションアシスト」、高速コーナーリング時に車両姿勢を制御する「トルクベクトリングブレーキ」が標準装備されます。そして2013年2月に、2L 直4DOHCターボエンジン(最高出力211ps/最大トルク35.7kgm)を搭載し、専用の内外装や装備の充実により差別化を図った上級グレード「B250」が追加されました。
次いで2015年1月にマイナーチェンジを実施し、外装変更によりCd値が0.25に向上した他、内装の一部変更や装備の充実が図られました。同時に、FF方式の「B250」に替わりフルタイム4WD方式を採用した「B250 4MATIC」が設定されました。先代から走行性能や居住性が向上したBクラスは、日本市場においてはAクラスを凌ぐ人気を獲得しています。